- WEBサービス&アプリ提供者
株式会社メディア・マジック
サービス可用性とコストパフォーマンス、さらにサポート品質で「さくらのクラウド」を選択
- クラウドサービス(IaaS)
株式会社 エデュースは、私立大学を中心とした16の学校法人が共同出資して作られた、学校経営・運営に関わる支援業務を行う企業。出資した学校法人のみならず、すべての学校法人、教育機関に還元していくというコンセプトをもとに2002年3月11日に設立されました。大学を主とするさまざまな学校法人の事務作業をパッケージシステムの導入によって効率化したり、業務改善のコンサルティングなどをして、学校職員が学生への対応や研究支援などに労力を向けられるようになることを目的に、事業を展開しています。同社が提供している主力サービスには業務パッケージ「ACOffice(アコフィス)」があります。これまでオンプレミスで提供していたACOfficeを「さくらのクラウド」でクラウド化。販売チャネルの多様化や競争力の強化につなげています。
株式会社 エデュースが提供しているサービスは主に3つあります。
1つ目は「Academic Office」を略した「ACOffice」という名称の学校業務支援ITシステムシリーズです。財務・経理系システムや総務・人事・給与系システムをメインとした業務パッケージを提供しています。2つ目は、学校経営に革新と効率をもたらすコンサルティング事業。3つ目は、パートナー会社のノウハウやサービスを用いて、さまざまな課題解決に取り組むソリューション事業となっています。
財務・経理系システムや総務・人事・給与系システム以外にも、研究系システムや教学系システムなどがラインナップされているACOfficeシリーズは、2003年3月に発売されました。「学校業務には一般企業とは異なる用語や運用方法など、独自の文化が存在します。システムの導入を担当する弊社のSEは、その独自性について理解しており、お客様と共通言語でやり取りすることができます。弊社の強みは、このようなSEをはじめとした学校業務に精通するスタッフが多数在籍している点であり、他社との差別化要因となっております」とエデュースの営業部、部長である寺口慎也氏は話します。
ACOfficeシリーズを学校法人に納入するにあたっては、これまではハードウェアベンダーからセットアップ済みのサーバーを用意してもらい、そこにエデュースのアプリケーションを載せてセットにし、ACOffice製品としてオンプレミス環境で納品していました。
しかし近年では「学内にサーバーなどを置いたオンプレミス環境にすると保守・運用の手間がかかってしまう」「サーバー環境を丸ごと学外に置いて、アプリケーションはSaaS形態で提供してほしい」という学校側のニーズが増えてきました。
エデュースとしても、サービスの提供形態を増やすことで販売力が強化できることから、クラウドの利用を検討することになりました。「日本の大学は国公立・私立を合わせて790校しかありません。従って、システムを納入する先の学校法人も多くはなくスケールメリットを出すことができません。そうすると、弊社内にインフラエンジニアを多数抱えることはできません。インフラに必要な工数をいかに少なくして、少人数で回せるようにするかが課題なのです。それがクラウドを採用するに当たってのメインテーマでした」とエデュース関西支社ACOfficeソリューション部、部長の有福洋一氏は話します。
当時、エデュースでは自社基幹システムを国内大手クラウドサービスを使って運用していました。一方有福氏は、プライベートで独自ドメインを取得するために「さくらのレンタルサーバ」と「さくらのドメイン」を長期にわたり利用していた経験があったのです。
有福氏が長年利用する中で、さくらの各種サービスに対して信頼があったこともあり、自社基幹システムを「さくらのクラウド」へとリプレイスを行いました。さらにACOfficeシリーズについても、担当営業への信頼感から「さくらのクラウド」で構築することを決定。「さくらのクラウド」で運用するACOfficeシリーズを社内公募により、「ACOfficeクラウド」の呼称を決定しました。「クラウドを自社サービスに活用するのは「ACOfficeクラウド」が初めてです。弊社の事業はこれまで、学校法人に対してアプリケーションを提供することで成り立ってきましたので、ハードウェアは利益を得るところではないと考えていました。しかしそこから脱却し、インフラエンジニアの拡充をしていくためにも、アプリケーションだけでなくインフラ環境が売れたときには、そこでしっかりと収益を上げられるようにしていく必要があると考えています」(有福氏)
ACOfficeシリーズは現在、オンプレミスとクラウドを合わせて、日本の全大学790校のうち、延べ400校を超える導入実績を持つまでになっています。今回「ACOfficeクラウド」がラインナップされたことで、アプリケーションの提供形態はハードウェアごとオンプレミスで構築するタイプと学校法人側のインフラ環境に載せるタイプを含めた、3つのタイプから選べるようになりました。「学校によっては『当学ではクラウド形態での提供でないとシステムを導入しません』というオーダーをされることもあります。その観点から言うと、『さくらのクラウド』を利用した『ACOfficeクラウド』で競争力が高められたことが『さくらのクラウド』採用の最大のメリットだと考えています」(有福氏)。
ACOfficeをオンプレミスで構築している場合、ハードディスクエラーなどの障害が発生したときには、まずエデュースへと連絡が届いていました。その点「ACOfficeクラウド」は「さくらのクラウド」を採用したことで障害も低減されており、エデュース側の対応リソースも削減することができています。
現在、ACOfficeをオンプレミスで運用している学校法人も、サーバーの保守切れのタイミングで「ACOfficeクラウド」へとリプレイスすることが増えてきています。「コロナ禍と米中貿易摩擦で2020年秋以降から半導体不足が続いており、クラウド化の機運もより高まっています。オンプレミスタイプのACOfficeを選んだとしてもサーバーがいつ納品されるのかわからない状況ですので、「ACOfficeクラウド」のリリースは正解だったと考えています」(寺口氏)。
今後、リリースされるパッケージはクラウドベースで展開していくことが標準になっていくだろうという見通しを持っているエデュース。これからは、パッケージとシステムの上に搭載されるクラウドをセット販売のような形で進めていきたいとしています。