導入事例

tenki.jpで「さくらのクラウド、専用サーバ、ウェブアクセラレータ」を採用。予期できないアクセス増に対応

株式会社ALiNKインターネット 様

株式会社ALiNKインターネットは、年間25億ページビュー/月間平均2億ページビューを誇る天気予報専門メディアのtenki.jpを日本気象協会と共同で運営しています。気象の変化により増加する予期できないアクセスに対して、最新の気象情報を高速に配信するために、さくらインターネットの「ウェブアクセラレータ」、「さくらの専用サーバ」、「さくらのクラウド」を採用しました。

課題
予期できないアクセス数に対しても遅延なく情報を配信する必要があった
最新の気象情報を配信する頻度が増えたためため高速なデータ処理が求められた
クラウドサービスの詳細情報の入手が難しく、技術的課題に関する相談を直接行いたかった
効果
データ処理速度を大幅に向上できた
素早く安定したコンテンツ配信により、サイトの信頼性が向上した
クラウドサービスの計画外停止や障害情報を迅速に入手でき、運用が大きく改善した
代表取締役 池田 洋人氏

株式会社ALiNKインターネット(以下、ALiNKインターネット)は、「未来の予定を晴れにする」という経営理念のもと、良質なコンテンツを作るための企画・開発・運営という部門と、事業としての収益を持続するための営業・アドテクノロジーの両輪にして、トータルソリューションを提供しています。特に、天気予報専門メディア tenki.jp (一般財団法人日本気象協会様と共同で運営) では、気象に関するさまざまな役に立つ情報が提供されています。代表取締役 池田 洋人氏は、「天気を変えることはできませんが、未来の予定を晴れにすることはできる、そんな想いでtenki.jpを作って運営しています。どんなに世界が便利になっても、どこにいても、どんな人でも、天気情報は欠かせません。そのため24時間365日、私たちはチャレンジを続けます」と、その思いを述べます。

ALiNKインターネットがそのtenki.jpの運用基盤に求めたのは、遅延のない配信パフォーマンス、サービスの高信頼性、新システム構築へのアドバイス、および運用情報の共有体制でした。

1年をかけて、新しいシステムへの移行を検討

2016年7月、tenki.jpで提供する気象庁の高解像度降水ナウキャストを利用した『豪雨レーダー』サービスを、外資のクラウドサービスから、「さくらのクラウド、「ウェブアクセラレータ」と「さくらの専用サーバ」に移行しました。フロントエンドにはコストパフォーマンスと柔軟性のある「さくらのクラウド」と高い配信処理力を持つ「ウェブアクセラレータ」、バックエンドには処理能力に優れた「さくらの専用サーバ」を利用。さらに、異なるリージョン・ゾーンに存在するスイッチをブリッジ接続 でつなぐことで、より柔軟性の高いシステムを簡単に構築しました。

取締役CTO 松本 修士氏

取締役CTOである松本 修士氏は、システム移行にあたり、次のような背景があったと話します。

「東日本大震災以降、気象情報をネットでまず確認するという習慣ができたため、定常的にtenki.jpへのアクセスが増加傾向です。そして大きな気象変化があるとアクセス数が急増します。例えば、台風が接近するとアクセス数は10倍から数100倍にバーストします。このような場合、気象画像の配信、HTML、ロードバランサー、CDNなどの処理を総合的に行う必要があり、機能や拡張性に合わせて最適なサービスを選択し、かつ統合運用できることが求められていました」

しかし、2年間利用していた外資のクラウドサービスでは、「予想以上にサービスが落ちました。それらが世界的な障害だと詳細な情報が発信されますが、グローバル展開しているためか、各国のリージョンが1つ動いていない程度だと動作していないという情報がでるだけで、何が起こっているか分かりません。また、定期的なメンテナンスでは、日本時間の夜中や週末に実施されることがほとんどで、サービスを復旧、運営するには体力が必要でした。さらにデータセンターが海外にあり、ネットワーク遅延の問題から、情報配信のスピードにも問題がありました」と、松本氏はシステムの運用の課題を指摘します。

さらに、サポート部門との距離感があり、基本的には必要な情報は自力で探して欲しいというスタンスであったことにも不満を感じていたといいます。

「これから先のアクセス増を考慮すると、どのような機能を利用すればサービス力を上げることができるのかわからないというつらい状況でした」(松本氏)

そこで、ALiNKインターネットでは、1年をかけて、新しいシステムへの移行を検討し、今回最初に移行した『豪雨レーダー』サービスにおいて、最適化をどのように行うかを洗い出した上で、さくらインターネットに2016年5月にコンタクトしました。

『豪雨レーダー』は、気象庁の高解像度降水ナウキャスト を利用したサービスです。日本全土だけでなく、近海を含んだ広大なエリアを250メートル四方のグリッドにわけ、数十万に達するすべてのグリッドに対して降水の短時間予報を実施し、60分後までの雨雲の状況を10分単位で確認できる、直近の情報を詳細に知りたいユーザ向けのサービスです。1kmの解像度で6時間先までの降水の予想を1時間毎に気象庁が提供してきた従来のコンテンツ『雨雲の動き』に比較し、情報量として、単純計算で16倍の解像度の情報を6倍の速度で配信することになります。このサービスを実現するには、気象情報を飛躍的に高速処理/配信する必要がありました。

物理サーバによるバッチ処理とウェブアクセラレータでシステム開発

松本氏は、以前の会社でさくらインターネットのサーバを利用していた経験から、同社のサービスを高く評価していました。

「さくらインターネットのウェブサイトには、料金が詳細に掲示され、どのようなことができるかが明示されているため、ユーザとして理解がしやすいのがいいのです。コストの見込みがたった上で、相談ができるため、話が素早く進んでいくと感じています」

ユーザからアクセスされるごとに毎回データの呼び出しが実行されると、アクセスが急増したときデータベースが負荷に耐え切れないなどの課題の洗い出しを行いました。それらの課題の解決には、アクセスごとに100%動的にコンテンツを作成してリアルタイムに配信するのではなく、気象庁から提供されているデータを事前に処理して、静的コンテンツとしてフロントのサーバにコピーし配信することで対応できるということが分かりました。

そこで、ALiNKインターネットは、これらをデータの事前処理として、気象データの更新時にコンテンツを処理性能の高いサーバでバッチ生成し、作成したファイルを並列化した配信サーバにコピーし、負荷分散としてロードバランサーを利用してスケールすることを決定しました。

「実装にあたり、インタプリタ言語ではなくC言語を利用することで性能を最大限に引き出すことが可能でしたが、動作環境としてクラウドサーバや仮想サーバ上では実現が難しかったのです。バッチ処理は、I/Oリソースを大量に消費するため、物理サーバが望ましいためです。しかし、外資系クラウドサービスではこれを実現できる環境がありませんでした。そこで、検討したのがさくらの専用サーバを利用することです」(松本氏)

期待される性能を実現できるだけでなく、「さくらの専用サーバは、仕様を判断すれば、コストも計算できますし、故障した場合も対応していただけるので、手離れが最適です。また、コンソール接続がバーチャルでできるのがうれしいですね。手元のパソコンにサーバが来た感覚です。SSHでのログインだけでは、カーネルパニックが起こったときなど、リモートからログインできず対応できません。コンソール接続を利用すれば、リモートから強制リブートし対応することができます」(松本氏)というように、運用の効率化も同時に実現することが可能となります。

コンテンツ配信部分については、ウェブアクセラレータの利用を検討しました。

ウェブアクセラレータは、オリジンサーバのコンテンツをキャッシュして高速配信する国内向けCDNサービスです。松本氏は、担当者より新規サービスとしてウェブアクセラレータをリリースする予定を聞き、ベータ版からのテストに参加したい旨を依頼しました。これにより、品質向上に寄与するとともに、ウェブアクセラレータの正式サービスインから効率的なコンテンツ配信をいち早く実現できることになりました。

「ウェブアクセラレータは、さくらのサーバで生成したコンテンツをさくらのネットワーク内でキャッシュできるため、配信の遅延を意識する必要がありません。コンタクトした当時、ウェブアクセラレータはベータ段階でしたが、ベータテストへの参加を決めました。新規サービスのため、技術的な質問もたくさんさせていただきました。例えば、ロードバランサーのセッション数やウェブサーバが何台あるべきかなどをさくらインターネットに質問したところ、担当のエンジニアの方が直接、説明に来てくださいました。新しいシステムのため不安がありましたが、的確なアドバイスをいただけたことで可用性の方針を見定めることができました」(松本氏)

これらを組み合わせて、ユーザがアクセスすると、キャッシュサーバから画像が配信されるようにすることで、セッション数をおさえ、最小限のバーストで済むようにしました。

希望通りのパフォーマンスでサービス提供

新しい『豪雨レーダー』サービスは、2016年7月に稼働開始しました。

「ユーザからのアクセスをきれいに処理できています。配信用データのレンダリング頻度も短縮化を図ることができました。以前に比べて安定運用ができており、事業者側で障害が発生しても、報告ページで詳細を確認でき、担当の方からも連絡をすぐにもらえるため、状況把握のアドバンテージがあります。さらに、週末にクラウドのホストサーバが計画停止する場合には、事前に稼働アプリケーションを計画停止外のホストサーバに移動しておけばよいため、週末に稼働アプリケーションの復旧作業を行う必要がありません。また移行期間中にもさまざまな支援をいただきました。移行コストを押さえながら、最終的に、外資系のクラウドサービスと比較しても、高い費用対効果を得ることができました。今後、『さくらのクラウド』でWeb用配信サーバで構成することでトラフィックの増加にも対応しやすい構成を取り、tenki.jp内の他のサービスも全面的に移行していく予定です」(松本氏)

今回の移行により、コンピューティングリソースに余裕が出てきたので、新しいサービスのリリースをより多く検討できるようになったそうです。

最後に、松本氏は、「さくらのクラウドは、今回使い始めたばかりなので、キャッチアップして取り組みを加速しようと考えています」と今後の抱負を語っていただけました。

本記事で紹介している「さくらの専用サーバ」は現在、新規お申し込み受付を終了しており、後継サービスとして「さくらの専用サーバPHY」を2020年7月28日より提供しています。

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株式会社ALiNKインターネット
事業内容
・インターネットメディアの企画/ 開発/ 運営 ・ウェブコンサルティング ・インターネット広告代理
設立
2013年

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