- WEBサービス&アプリ提供者
株式会社メディア・マジック
サービス可用性とコストパフォーマンス、さらにサポート品質で「さくらのクラウド」を選択
- クラウドサービス(IaaS)
流通経済大学は、経理・人事システムが稼働しているサーバの更新に伴い、「さくらのクラウド」の月額定額サーバに移行しました。同大学ではICTを活用した効率的かつ継続的な業務遂行の観点から、早い段階で少しずつクラウド化を進めており、経理・人事システム移設を経て、キャンパス内に設置されたシステム用サーバがなくなり、クラウド化のロードマップが完了しました。同大学が「さくらのクラウド」を採用した大きな理由は、大学や研究機関のネットワークでありセキュアに接続できるSINETと接続できるからです。
流通経済大学は、戦後の日本経済発展と国際化に対応できる高度な物流の研究と人材育成を目的として1965年に設立されました。当初は経済学部経済学科のみの単科大学でしたが、現在では5学部9学科を擁する中規模の総合大学に発展しました。
「2006年にはスポーツ健康科学部を開設し、開学以来スポーツにも力を入れています。私も硬式野球部に所属していました」と同大学出身の若山昌弘氏(経理課)は部活の日々を思い返します。特にサッカー部とラグビー部が強く、江坂任さんや中島イシレリさんなどプロ選手を多数輩出していることで知られています。
同大学の特徴として、1年生は入学式の次の日からゼミに所属することが挙げられます。これは学生に有意義なキャンパスライフを過ごしてもらうための配慮で、教員からの手厚いサポートと学友との親密な関係を早期に構築することがねらいです。またキャンパスは茨城県龍ケ崎市と千葉県松戸市にあり、学部によっては、2つのキャンパスから好きな方を選んで通学できる「キャンパス選択制」を導入しています。この制度により、教員はキャンパスを行き来して、同じ内容の授業を行うことになりますが、学生の成長と個々の事情を優先する「学生ファースト」な大学と言ってよいでしょう。
流通経済大学は、株式会社システムディが提供する学園向けの業務パッケージをさくらのクラウドに導入して利用しています。また、さくらインターネットへは、日本全国の大学や研究機関を結ぶSINET経由で接続しています。
「SaaSがあれば採用したのですが、残念ながら学園向けの経理・人事システムでは見当たりません。そこでさくらのクラウドをPaaSとして利用し、システムディのパッケージをそちらに導入しました」と同大学のシステム導入リーダーである青砥光一氏は説明します。
学生の個人情報や研究内容の漏えいを不安視して、クラウド化に難色を示す大学も多い中、流通経済大学では5年あまりの年月をかけて、徐々にオンプレミスのサーバを撤去してきました。
「少ない人数でシステム運用を行っていますので、5年に1回のサーバ更新は大きな負担です。またキャンパスが2カ所あるので、龍ケ崎キャンパス側で停電があったときには新松戸キャンパス側も影響を受けることになります。そこでサーバを更新するたびにクラウドまたはハウジングサービスにシステムを移行してきました」と情報部門事務部長の鈴木武氏は説明します。2011年の東日本大震災でサーバ室に影響があったり、別な年には雷による停電でシステムが停止したこともあって、BCP(事業継続計画)に真摯に取り組むことになりました。
クラウド化は世の中の流れであり、セキュリティに関しても必要とするレベルには既に達しているという判断でした。それよりも短いスパンでのシステム更新にかける労力とコストが不要なこと、業務の継続という観点から安心感が強いこと、定額料金のサービスを選択すればコストの見通しが容易なことなど、クラウド化のメリットの方がはるかに大きいと同大学では評価しています。
なお、クラウド化はシステムディの経理・人事パッケージの導入を経て、その他システムも徐々に進めた結果、すべて外部に設置することにより完了し、現在はバックアップ用のサーバを残すだけになりました。
経理・人事パッケージの導入先としてさくらのクラウドを選んだ理由は、大きく3つありました。
1つめは、L2閉域網に対応していたことです。これはインターネットから直接アクセスを受けない安全な接続をするための方式で、SINET経由で外部サービスを利用する場合には必須条件ですが、対応しているサービスはそれほど多くありません。
2つめは、他社と比較して低価格なことです。
3つめは、システムディの経理・人事パッケージが要求するスペックのサーバを用意できることでした。
「さくらのクラウドが3つの条件をクリアしていた上に、以前からさくらのレンタルサーバを利用していたこともあり、信頼感もありました」と青砥氏は採用理由を説明します。
クラウドサーバおよびパッケージの導入はスムーズに完了し、何一つ問題は起こりませんでした。
「さくらのクラウドはボタン1つで完了するぐらい簡単に導入できますが、クラウド導入も含めてシステムディに全ての作業をお願いしました。その際にさくらインターネットがシステムディに対する直接の窓口を設けてくれ、両者でコミュニケーションをとりながら導入を進めてくれました。おかげで本学の負担はありませんでした」(青砥氏)。
AWSやAzureなど海外のクラウドベンダーの場合は、ユーザ責任で導入し、彼らは一切関与しません。「日本の会社だからこそのきめ細かい対応です」と流通経済大学では評価しています。
経理・人事システムに加え2020年には、学生や教員が利用するプリント管理システムも「さくらのクラウド」に移設し、他のシステムを含めてクラウド化がほぼ完了したため、今後も新システムの導入を企画する際は、プラットフォームとして、さくらのクラウドを候補の一つに入れて検討したいとのことです。
「それよりも、パッケージシステムベンダーの中には、クラウドへの導入を渋る会社がまだまだあります。どこまで動作保証するかという問題があるからです。そこでさくらインターネットにはパッケージシステムベンダーと協業して、パッケージのクラウド化を進めていただきたい。『Aというシステムなら、さくらのクラウド』ということになれば、さくらのクラウドを採用する人も増えるはずです」と、さくらインターネットへの期待を青砥氏は語ってくれました。