- WEBサービス&アプリ提供者
ランサーズ株式会社
「ランサーズ式」クラウドソーシングにみるITインフラの使い分けとは
- クラウドサービス(IaaS)
- VPSサービス
株式会社アントアントがOEM提供する「ant2」は、HTMLやCSSなどの知識がなくても ホームページの制作やリニューアルが容易に行える、新時代のクラウド型CMS。 そしてこのサービスを支えているのが、コストパフォーマンスに優れ、 かつ信頼性の高いさくらインターネットのVPSです。
2007年に設立され、Webサイト事業やパッケージシステム開発販売事業、DTP・デザイン制作事業などを展開している株式会社アントアント。同社の主力サービスであるCMS「ant2」が生まれたのは2008年のことで、翌2009年にはクラウド型がリリースされました。このサービスでは、HTMLやCSSなどの知識がなくてもホームページの制作やリニューアルを容易に行えるため、ユーザー数は日を追って増加しており、販売代理店の数も着実に増えています。「『ant2』はお客様が求める操作性を実現することに注力しており、その代表例が“見たままで編集”できる機能です。今では海外発のCMSなども増えていますが、使い勝手に対するこだわりは純国産ベンダーである弊社ならではのものと自負しています」(アントアント 谷脇広貴氏)
「ant2」のインフラを支えているのが、仮想専用サーバ「さくらのVPS」です。当初、インストール型では1ユーザー1サーバ制を採用していましたが、クラウド型に切り替えたことで、1台のサーバで数十ユーザーを管理することになり、障害の発生する頻度が増えてしまったと言います。
「当時は某社が提供しているVPSレンタルサーバを利用していたのですが、1台止まると続けざまに複数台が止まるといった障害が発生するようになりました。また、サーバがダウンしてもすぐには復旧せず、ひどいときは7時間ぐらい止まっていたこともありました。こうなるとクレーム対応だけでも多大な時間を使うことになりますし、サービスの評判にも悪影響が出てしまいます。そこでこうした状況を改善したいと考え、2012年にサーバ環境を見直すことにしました」(アントアント 谷脇とし子氏)
とはいえ、同サービスのユーザーには、中小企業だけでなく零細企業や個人事業主の方も多くいるため、サービス価格を上げたくないという想いもありました。そこで同社はコストパフォーマンスの良さと信頼感の高さを兼ね備えたVPSサービスを探したところ、出会ったのがさくらのVPSだったのです。
「当時からさくらのVPSは低価格で、サーバのスペックも同じ価格帯の他社サービスと比べると優れており、コストパフォーマンスに優れていました。また、1~2分サービスが止まったといった小さな障害情報から公表しており、過去の履歴を見ても、最長30分ほどで復旧。信頼性の高さがうかがえました。加えて、さくらインターネットという実績のある会社が提供するサービスという点も大きなポイントでした」(アントアント 谷脇広貴氏)
こうして2012年、同社はさくらのVPSを採用。「ant2」で利用しているサーバのうち公開用Webサーバとメールサーバなどを切り分け、全ユーザーにすべてさくらのVPSを使ってサービス提供を行っています。「サーバは5台からスタートし、現在は170台を超えています。毎月数台ずつ数が増えていますが、これまでに目立ったトラブルはありません」(アントアント 谷脇広貴氏)
現在、同サービスでは“止まらないホームページ”というコンセプトを掲げており、トラブルを可能な限り回避するためのシステム監視環境を構築しています。具体的には、5分に1回、サーバが正常に稼働しているか自動で確認する機能が盛り込まれており、何か問題があるとアラートが上がるようになっています。また、メ-ンサーバとバックアップサーバを東京と大阪の2カ所のデータセンターで運用しており、障害が発生すると、自動で切り替わるようなサービスも用意しています。これらの仕組みを支えているのが、信頼性の高いさくらのVPSです。
今回の導入は、サービスの柔軟性という意味でも効果がありました。以前はサーバを用意するのに時間がかかっていたため、営業の見込みをもとにあらかじめ申し込んでおく必要がありましたが、さくらのVPSなら即日で調達が可能。必要なときに必要な分だけ調達でき、ユーザーを待たせることがなくなりました。
同社では、2017年の4月に他社サービスと連携し、モバイルまで視野に入れたSEOツールの提供を開始する予定です。このように、CMSと連携できる業務に必要なツールを充実させていき、いずれは「ant2」をCMSプラットフォームとして確立させていきたいとのこと。「最近では大手企業が採用するケースも増えてきているので、より高スペック・高セキュリティなサービスの提供も検討していきたいと思います。その意味でも、さくらインターネットには新しいサービスの紹介はもちろん、『このような使い方をすればコストを下げることができます』といった提案もお願いできればと思います」(アントアント 谷脇とし子氏)
躍進が続く「ant2」ですが、現在の状況に甘んぜず、近々大規模なバージョンアップを予定しているとのこと。純国産のクラウド型CMSとして、ますますの成長が期待できそうです。