導入事例

写真販売の老舗がImageFlux導入で実感した「巨人の肩に乗る」メリット

株式会社フォトクリエイト 様

学校行事やスポーツイベントなどの写真販売に特化したサービスを提供する、株式会社フォトクリエイト。2002年の設立以来、同社が扱ってきた写真の累計数は15億枚に上ります。個人向け写真のネット流通が拡大する中で、既存の内製システムをアップデートしてきた同社。さくらインターネットの画像変換・配信エンジン「ImageFlux」を導入した経緯や、導入後の効果について、株式会社フォトクリエイト 開発部の林裕一郎さんに聞きました。

課題
既存システムの老朽化
増え続ける写真データ、サムネイル生成の負荷増大
接続の集中によるアクセス不良でユーザー体験が低下
効果
社内の開発リソースを新規開発に集中できた
最新デバイスや画像フォーマットへの画像最適化もおまかせ
表示速度が最大7倍に高速化し、ユーザー体験が向上

写真サービスが拡大する中で既存システムに限界

林氏 当社のサービスは、カメラマンや地域の写真館からアップロードされた写真を配信・販売するものです。購入する方は、イベントごとのパスコードでサービスページにログイン後、該当する写真群にアクセスし、自分に関係する写真を探します。

写真探しのヒントになるのは「お子さんの顔」や「スポーツイベントで着けていたゼッケンナンバー」などになるため、サービス内ではそれらが見えるサムネイル写真を生成して関連付け、購入者ページで一覧表示をします。

表示形式によって必要な情報が変わるため、1枚の写真につき3種類のサムネイルを生成し、購入者のリクエストに従って一覧表示する配信処理をしていました。しかし、サービスの拡大や画像1枚あたりのデータ量の増大、よりモバイルに適した新しい拡張子への対応などが必要になるにあたって、既存の内製システムには限界が来ていました。

たとえば人気のスポーツイベントでは、1開催で数百万枚の写真が一度にアップロードされることもあります。そのようなイベントで販売が開始されると、数万人規模の購入者が一斉にアクセスしてくるんです。そして販売終了の目前にも、またアクセスが急増します。そうしたタイミングでサーバーへの負荷が急増し、表示速度の低下を招いていました。写真の表示が遅いと、販売機会の損失や、購入者の写真入手機会の損失につながりかねません。

これらのユーザー体験を向上するために、配信のしくみを検討するさなか、サムネイルを保存していたストレージサービスが終了することになりました。急いで移行先を探している中でImageFluxを知り、他社と比較したうえで導入を決めました。

「変換・配信だけ外出し」でシステム移行不要のスピード導入、表示速度は最大7倍に高速化

他社と比較して、ImageFluxは「サムネイル変換と配信部分だけをまかせられる」のがメリットでした。写真データの総容量が数ペタバイトに上るため、すべての写真データを完全に移行してCDNも切り替えるようなオールインワンのサービスでは、移行の時間も運用コストもとても見合いません。その点ImageFluxは、既存のストレージ(AWS S3)から接続して写真のサムネイル変換と配信機能だけを利用できました。スモールスタートにも対応できたので、まずは1人のエンジニアが1つのサービスサイトで試しに使ってみて、その後すべてのサービスサイトに導入していきました。

株式会社フォトクリエイト
開発部 部長 林裕一郎氏

サービスへの導入は「画像URLを書き換えていく」だけだったので、本当に簡単でした。検討開始から導入が終わるまで、3か月程度だったかと思います。また内製時と比べ、人間の作業工数も含めると、体感的には5分の1程度はコスト削減できたように思います。

導入の効果はすぐに出て、アクセス集中時の表示速度がピーク時で最大およそ7倍になりました。表示までの待ち時間は写真1枚あたり数百ミリ秒から数十ミリ秒に短縮し、ユーザーから閲覧や購入の不備についてのお問い合わせを受けることも一切なくなりました。

サムネイルの作成と配信はもちろん、顔検索のための加工やウォーターマークのオーバーレイなども、URLパラメータの指定だけで済むので簡単です。ほかにも、顔検出のシステムと組み合わせて、お子さんの顔のみを切り取って表示するといったクリッピングの応用的な使い方もしています。

従来の内製と比べて不具合も少なくなり、2019年に導入して現在5年ほど経ちますが、大きな障害もなく安心して利用できています。

保守工数の「ほぼゼロ化」でエンジニアリソースを新規開発に投入、顧客向けサービスのアップグレードが加速

システム刷新を検討する際のテーマであったWebP対応や新しいデバイスに適した解像度でのサムネイル作成など、画像配信まわりのアップデートをすべてImageFluxにまかせています。それによって、自社のエンジニアリソースを新規開発やエンゲージメント向上に集中できるようになりました。購入者向けおよび写真アップロード者向けのサービスのモダナイズ、UIの改善や不具合対応が迅速に行えるようになり、価値の高いサービスの開発が加速しています。

もっとも大切な「写真の質」を保ったまま、便利で魅力的なサービス展開へ

フォトクリエイトは「感動をカタチにしてすべての人へ」をミッションに、写真をアルバムやパネルなどのさまざまな形にして顧客に提供しています。それらのサービスを作成するにあたって、写真を加工する技術はとても大切で、その点を安心しておまかせできるのが心強いです。特に人物写真では、「肌の色」に注意する必要があるのですが、数値的な評価はもちろん、カメラマンやデザイナーが見ても違和感のない、美しいスキンカラーを保ったまま画像を加工できました。

写真に関する商品を提供するにあたって、写真の画質や見やすさ、扱いやすさはとても重要です。しかし、それらは「こなれた技術」でもあります。内製ではなく、でき上がった技術を利用する……「巨人の肩に乗る」ことで、今後も新しいサービスや商品の展開を進める予定です。

導入を検討する方へ

新しいサービス、特にSaaSやPaaSはタスクとタスクをつなぐものなので、導入によってシステムが複雑化するのではないか、と懸念する方もいるかもしれませんが、ImageFluxについては「その心配はない」と思います。オールインワンのマネージドサービスの中から一機能を選ぶように、まず手持ちのストレージをImageFluxにつないで、試しに使ってみれば、すぐに良さがわかるのではないでしょうか。

導入後のサポートも充実していて、使用量の詳細なレポートや、よりコストパフォーマンスを向上する提案をもらえます。自社にとって最適なプランを検討でき、自前でサーバーを構築していたころのような、過剰調達の心配もありません。画像配信のチューニングも不要になり、「重要だけど普段は意識する必要がない」という意味で「空気のようです」と言っているエンジニアもいるぐらいです。自社アーキテクチャの見直しもやりやすくなりました。

内製システムの新規開発はもちろん、保守やメンテナンス、セキュリティパッチ、お問い合わせ対応などのコストが気になっている方、画像に関するサービスを、特にアジャイルで開発している方すべてにおすすめできると思います。

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株式会社フォトクリエイト
事業内容
インターネット写真サービス事業
設立
2002年

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