- WEBサービス&アプリ提供者
株式会社つみき
映画/ドラマ情報の「Filmarks」、画像配信の悩みをImageFluxで解決
- 画像変換・配信エンジン(ImageFlux)
Twitterのツイートのキュレーションサービス「Togetter」を運営するトゥギャッター株式会社では、ツイートから引用する膨大なデータ量の画像コンテンツを高速かつ安定して配信することを目的に、さくらインターネットの「ウェブアクセラレータ」を採用しました。同様の他社サービスを利用する場合に比べ、約5分の1という低コストが導入の決め手になりました。
Togetterは、Twitterのキュレーションサービスとしてアクセス数を伸ばし続け、現在は月間約1億ページビュー(PV)、約1,200万ユニークユーザー数にまで上る人気サービスに成長しています。もともとは海外のホスティングサービスを利用して運営していましたが、2011年3月に発生した東日本大震災により、大きな転機が訪れました。
「震災の発生直後からTwitterが情報発信ツールとして多く利用され、それに伴ってTogetterのトラフィックも急増しました。これを機にサービスインフラを見直すことにし、Amazon Web Services(AWS)をはじめとするクラウドサービスに移行しました」と同社代表取締役社長の吉田俊明氏は振り返ります。
このように、Togetterは、IaaSをはじめAWSの各種サービスを利用してサービス基盤を構築しており、そのほかGoogle Cloud Platformやさくらのクラウドなど適材適所で最適なクラウドサービスを選択しサービスを運営しています。
そんなTogetterでは、ここ数年新たな課題が浮き彫りになっていました。それは、画像リソースを取り扱う「画像プロキシ」に関する課題でした。この画像プロキシは、外部サイトにある元画像のデータを取得・変換して渡すためのサーバです。「Togetterは、Twitterなど、基本的に外部サイトにあるリソースを使うことになり、中でも画像は特に重要かつ不可欠なコンテンツです。外部サイトの画像は、「直リンク」で表示する方法が最も簡単ですが、その方法はそのサイトに負荷をかけてしまうおそれがあるので、ご法度です。こうした外部リソースの課題を解決するために、画像プロキシを構築しました」と同社のリードエンジニアの青山民人氏は説明します。
この画像プロキシは当初、AWSのIaaS上に構築されました。しかし、ここで大きな問題が発生しました。
「Amazon EC2上で画像プロキシサーバを運用したところ、大量のトラフィックによりネットワーク転送の利用料が膨大になるという問題が発生しました。そこでコスト削減を目的に、さくらのVPS(仮想専用サーバ)とさくらのクラウドへ冗長構成にして移行することにしました」(青山氏)
これにより、画像プロキシサーバのコストの問題は解決しました。
「しかし、さらにトラフィックの増加が見込まれる今後を考えたとき、VPSをスケールアウトで増やしていくのは手間がかかります。また、冗長構成をとっているとはいえ、障害発生の危険性もゼロではありません。そこで検討したのが、CDN(Content Delivery Network)サービスでした」(青山氏)
CDNサービスを採用することでオリジン画像プロキシサーバにかかる負荷を分散することに決めた青山氏は、サービスの選定に着手します。
「選択肢として、AWSのAmazon CloudFrontとさくらインターネットのウェブアクセラレータの2つがありました。転送量を5,500GiBと想定して見積もったところ、CloudFrontは月額約13万円だったのに対し、ウェブアクセラレータは月額約2万5,000円と、ほぼ5分の1になることがわかりました。必要十分な機能を備えた安価なサービスということで、採用を決めました」(青山氏)
こうして導入を決定した同社は、まずはステージング(検証)環境を構築するところから利用を開始しました。
「検証を開始してすぐ、偶然それを見たさくらインターネットのエンジニアからコンタクトがありました。それからは特にサポートを依頼するわけではなく、ドキュメントを参考にしながら検証を繰り返す中で『〇〇の機能はないのかな?』といった疑問点や感想をツイートしていたのですが、それに対してさくらのエンジニアから迅速かつ適切な返信が来ました。当然、このやりとりは他社のエンジニアも見ていると思うので、さくらの対応は非常に高評価を得られているはずです」(青山氏)
ステージング環境でウェブアクセラレータの検証を十分に重ね、その後本番運用に移行しました。
「当社が特に評価したのは、東京リージョンと大阪リージョンの両方でサービスを提供しており、今後大阪リージョンでVPSが利用できるようになった際も安心だという点でした。レイテンシに関してもまったく問題のない品質ですし、ウェブアクセラレータの導入後はオリジンサーバへの負荷も最小化しています」(青山氏)
今後は、オリジン画像プロキシサーバの見直しも検討しているそうです。
「現在のオリジン画像プロキシサーバの管理は属人的になっており、誰でも操作できるような仕組みにするとともに、負荷に応じたオートスケーリング機能も検討しています。そのための手段としてオリジン画像プロキシサーバのDockerコンテナ化を考えており、その移行先としてさくらインターネットのコンテナホスティングサービス、Arukasの採用も視野に入れています(青山氏)