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学校法人 桜美林学園
クラウド上の仮想ルータを活用して、 見通し良く確実に統合認証システムを運用開始
- クラウドサービス(IaaS)
株式会社スタージュエリーでは、会計システムや人事システム、販売管理システム、ファイルサーバーなど、社内基幹システムのサーバーを外部のデータセンターに置き、自社の社員が管理を行っていました。しかし同社ではシステムを担当する社員が少人数だったため、管理業務の簡素化を図るためにサーバーをさくらのクラウドへと移行しました。数あるクラウドサービスからさくらのクラウドを採用した理由は、構築やサポートを担当するビットスターの担当者を評価したことです。実際、クラウドサーバーの構築や構築後のサポートはスタージュエリーにとって満足がいくものでした。
株式会社スタージュエリーは、日本に本格的なジュエリーショップはほとんど存在していなかった1946年に横浜・元町で創業したジュエリーブランドです。現在では、「お客様の人生そのものを “輝かせ”“幸せな気持ち”をお届けする」をブランドコンセプトに、国内60店舗(2020年6月時点)を展開。スタージュエリー以外に、ジュエリー販売を行う株式会社スタージュエリーブティックス、ジュエリーの制作を担う株式会社スーパーギルドの3社体制で事業を展開しています。
同社の特徴として、販売しているほとんどのジュエリーを国内で自社生産していることが挙げられます。「他のジュエリーブランドの場合、コスト低減のために海外生産をしているところが多くなっています。その点、当社はジュエリーの品質の高さと手作りという点にはこだわりを持っており、創業当時から本店内に工房を構えジュエリーの自社生産を行っていました」と、同社の東氏(システム室 室長)は話します。
このようにジュエリーの製造・販売事業を展開している同社では、徒歩圏内にある近隣のデータセンターにサーバーを置き、オンプレミス(自社運用)で会計システムや人事システム、販売管理システムなどの社内システムを運用し、システム室の社員が管理を行っていました。しかし同社は小売業であるため、システム部門に人員をあまり割くことはできず、システム室では室長が1人と外部システムエンジニアが1人の2人体制でシステムの運用・保守を行っていました。
「当時システムの不具合は年に数回は発生していました。わずか年に数回でも大きなトラブルとなってしまうと、全社で業務がストップし、ジュエリーの販売にも大きな支障が生じます。しかし私はもともと営業の仕事をしていたため、特にシステムに詳しいわけではありませんでした。そのため、年に数回のトラブルでも私たち自身で短時間のうちに復旧させなければいけないのには無理が生じていたのです。そのとき、サーバーの保守期間が切れるタイミングとなったことで、クラウドへの移行を検討し始めました」と東氏は当時の状況を説明します。
同社がクラウドに移行することを決めた段階では、いくつかのクラウドベンダーが候補に挙がりました。ほどなくして、国内大手通信会社系のクラウドとさくらインターネットの「さくらのクラウド」の2つに絞られることとなりました。
「クラウドといっても当時の私から見ると、コスト以外に大きな違いはわかりませんでした。では何がポイントかというと、何かあったときに面倒を見てくれるのではないかという安心感が大事だと考えました。その点では競合他社の担当者はレスポンスが悪く、いざ切り替えたときの不安を抱いたのです。一方、さくらのクラウドの構築やサポートを担当するビットスター※の担当者には誠意を持って対応いただき、トラブルが発生したときのメンテナンスもお任せしやすいと考えました」(東氏)。 価格面でも、候補のクラウドベンダーの中では優位性があったことも採用の後押しになったと言います。
※ビットスターはさくらインターネットグループ会社であり、運用保守サービス・システム開発・ウェブデザインを提供している。
同社の社内システムへさくらのクラウドの採用が決まった後、システム室の人的リソースが少ないことから、クラウドサーバーの構築はビットスターにすべてお任せしました。「クラウドサーバー構築時にはビットスターの対応範囲ではないことまで質問をしていたのですが、それに対しても親身に相談に乗っていただきました。システムが本番稼働するまで、月に1回定例ミーティングにお越しいただき情報を共有することで、私たちが抱いている不安や課題もすぐに解消しました」と東氏はビットスターの対応を評価しています。
大きなトラブルもなく、2020年6月には無事、さくらのクラウドへの移行が完了しました。
現在、同社がさくらのクラウドを導入してから1年以上が経過していますが、現場では以前と比べて何も変わらず、トラブルも発生することなく、システムを使い続けています。
「5年スパンで見てみればオンプレミスのほうが価格的には抑えられたと思います。しかし、私たちシステム室の管理業務負担を軽減できたことと、オンプレミスでサーバーを運用しているときの万が一のリスクを低減できたことは大きいですね。もしオンプレミスのまま社内システムを稼働していて、サーバーが止まってしまったら復旧までどれくらいかかるかわかりません。そういった保険的な意味を考えれば、トータルでみて決して高いものだとは思いません」と東氏は説明します。
東氏は「現場経験がある私だからこそ、ビットスターのきめ細やかなサポートの良さがわかるのです」と力説します。「クラウドサービスごとに機能の違いはあると思いますが、細かな機能の違いよりも、さくらインターネットと私たちの間にビットスターという会社が入って、クラウドサーバーを構築してもらい、実際に稼働した後もきめ細やかなサポートをしてもらえているのが大きなメリットだと考えています」(東氏)。
コロナ禍が長引く中、さくらのクラウドによって社内基盤を整備した同社では、社内の効率化を図り、ストレスなく現場を動かしていくことが優先課題だといいます。その中でも対面接客が必要となるブライダル向けジュエリーの需要を再活性化しようと、リモートでのオンラインコンシェルジュのような形でのジュエリー販売も展開しています。
「2000年には既に、国内のジュエリーブランドでは初となる直営オンラインストアを開設しているのですが、コロナ禍が続くことでインターネットに頼る部分がさらに大きくなってくると思います」(東氏)。
このような事業展開の拡大にも、さくらのクラウドは貢献していくはずです。