導入事例

「受託一筋で勝負する」。かっぺ社の熱い想い

株式会社かっぺ 様

今回の事例インタビューは株式会社かっぺ様にお話を伺いました。ちょっと変わった社名ですが、元々は「合資会社いなかっぺ」からはじまり、現在は「株式会社かっぺ」として受託一筋と銘打って活動されています。地元である千葉の企業を中心として、多数のWeb制作実績のある制作会社です。

課題
100台のサーバオンプレからの移行
サーバ保守・運用トラブル
震災のリスク
効果
さくらの専用サーバへ移行し、運用・保守コストを削減
自社設備ではないために、計画停電など影響を気にすることが無くなった
水野 智明 氏

かっぺ社には、その受託開発においてさくらインターネットのサービスをご活用いただいています。今回はその利用法をはじめ、受託制作に対する想いなどを代表取締役の水野氏にじっくりと伺ってきました。

受託一筋にかける思い

— 貴社のモットー「受託一筋」について、お話していただけますか?

「当社は千葉のWeb制作会社で、約20名の従業員がいます。千葉にもウェブ制作を生業とされる方はたくさんいますが、これくらいの組織だって運営している受託開発会社は珍しいのではないでしょうか。受託一筋という信条は私の代(注:水野氏は3代目の社長)で決めました。過去に自社サービスを手掛けたこともありますが、我々の未熟さもあって受託と自社サービスとの両輪ではどっち付かずになってしまいがちでしたので、思い切って「受託一筋」に振り切ることにしました。一般的に「受託」というとネガティブな印象がもたれやすいかもしれませんが、私は、楽しく一生懸命に取り組める、とてもクリエイティブな仕事だと自負しています。」

オンプレミスからホスティングへの全面移行

— 貴社におけるサーバのご利用状況を教えていただけますでしょうか。
「当社では元々自社で100台クラスのサーバを保有し、自社内にサーバルームを配備していました。しかし現在は殆どのサーバをホスティングへ移行しています。サーバを保有していると突然のハードウェア、ネットワーク障害にも24時間対応しなければなりません。当然夜中でも通知がきて、出社して対応が求められます。そういったトラブルは常日頃から起こる訳ではありませんが、負担は決して小さくありません。」

— ホスティングに全面移行することになった、きっかけが何かあったのでしょうか?

「2011年3月に東日本大震災がきっかけになりました。当社は千葉にあったこともあり、計画停電の中に組み込まれることになりました。自社発電設備も構えていましたので運用は続けられたのですが、これがきっかけでさくらインターネットへの全面移行を決めました。ちょうど石狩データセンターの話が聞かれるようになった頃で、リスクヘッジにもつながると考えました。」

— 移行に際して、大変なことはございましたか?

「移行は特に問題なく、スムーズに進められました。現在は自社で使っているものをはじめ、オンプレミスのサーバは約20台が残ってる程度です。移行時にはさくらインターネットの営業担当者とよく話をし、柔軟な対応をしてもらえたのが大きかったと思います。」

ホスティングは楽チン

— 当社サービスの現在の用途について教えてください。

「クライアント向けはもちろん、自社でも使っています。専用サーバとクラウドは要件によって使い分けています。例えばスペックが必要な場合には専用サーバを選択します。専用サーバの方がスペックあたりの単価は安いので、トラフィックや求められるリソースが最初から大きいと予想される場合は専用サーバです。

さくらのサービスは機能追加が頻繁で、それによって当社の提案幅が広がっています。例えば専用サーバとクラウドが連携し、ハイブリッド構成ができるようになったというのがあります。これによってデータベースなどの堅牢さが求められるサーバは物理で、台数をスケーラブルに増減できるフロントサーバはクラウドでと言った提案ができるようになっています。」

— 当社サービスを使ってみての印象はいかがですか?

「受託開発という仕事柄、他のホスティングサービスを触ることもあるのですが、他社のは機能がとても多い半面、複雑…と言った感じがあります。さくらのクラウドはシンプルで良いですね。課金体系もシンプルで、ドキュメントも全て日本語ですし。バージョンアップも頻繁で、当社のような規模で行いたいことはほぼさくらインターネット上で実現できるのではないでしょうか。」

— 逆に、当社サービスへのリクエストはございますか?

「最近は日本だけでなく海外市場にも目を向けてサービス展開されるところが増えています。その場合、海外(特に中国)にサテライト展開したい時にネットワークリソースが細いのが残念ではあります。もっとグローバル展開を強化してくれると嬉しいですね。

また、従来の専用サーバや自社サーバ運用の場合、一台のサーバに複数のサービスを立ち上げるのも普通でした。クラウドではリソースが柔軟に選択できますので、なるべくサーバを分けて運用するようになります。そうなるとサーバ台数がどんどん増えてしまい、セキュリティパッチを当てたり、監視運用などが大変になります。当社ではなるべく自動化して対応しています。」

Web制作はサービス業

— 貴社の開発体制についてご紹介ください。

「現在はデザイナー、プログラマー、サーバそしてディレクターの4チーム体制となっています。
サーバ専属は2名となっていて、約20名規模のWeb制作会社としては多い方ではないかと思っています。4つのチームで自社完結できる体制になっていますが、最近では独立した元社員であったり、パートナーを一緒にプロジェクトを遂行することも増えています。」

— クライアントへの提案時に特に注意している点は?

「Web制作というと、つい最新のテクノロジーであったり先進的デザインに目を向けがちですが、それは半分程度に抑えています。残りはあくまでもサービス業という視点で、クライアントのニーズを理解して実現する点が大事だと考えています。

当社では基幹系システム開発も多く手掛けていますので、最先端の技術を取り入れていくというよりもちゃんと実績のある技術を安全に運用していくことが求められています。その意味でもサービス業としてクライアントの求めているものをプロフェッショナルとして提供していきたいですね。」

—かっぺ社で働きたい人に向けてのメッセージを。

「当社への入社を希望される方についてもこの“Web制作はサービス業である”という点を十分に理解してもらうようにしています。会社としての規模が小さいこともありますし、受託一筋であると言うことからも実力のある方だけを採用するようにしています。受託開発という現場において一流になりたいと思う方と一緒に仕事をしたいと考えています。」

— 具体的には、どのような人材を求めていらっしゃいますか?

「当社のクライアントは安定性であったり、確実性を求められます。そのため常に最新技術をキャッチアップしているというよりも、一つの技術についてきちんと自分のものにしている人にこそ来ていただきたいです。例えばその一つにフレームワークがあります。

当社ではプログラミング言語としてはPerlを使っています。Ruby on RailsやPHPの仕事を依頼されることもあるのですがお断りしています。そしてフレームワークも独自に開発しており、ずっと使い続けています。有名なフレームワークが幾つもあるのは知っていますが、バージョンアップを追従していったり、案件ごとのバージョン差異が生まれてしまう問題があります。自社のフレームワークは既に枯れていますので安心して利用できるのがポイントです。」

— 社員は千葉の方が多いのでしょうか?

「はい。当社が千葉にあるということもあって、社員も周辺に住んでいる人が多いです。逆に東京から通勤している人はいません。千葉でフリーランスをしているという方は多いですが、当社のように組織だって活動しているところはかなり少ないようです。なので、この近辺では珍しいかと思います。

社員の半数は結婚して、一部は家を買ってといった具合に、良い意味で落ち着いた雰囲気になっているかと思います。受託開発が自分の天職であると気付いた方はぜひ当社にきていただきたいです。」

千葉で育って千葉で仕事をする

— 地元・千葉に対する想いは、かなり強いのですね。

「東京に行ったら負け、ではないですが(笑) 私自身が千葉で生まれ育っていますので、この街で勝負したいですね。かといってこの街だけで完結するではなく、世界で戦えるような仕事をしていきたいと考えています。

仕事は東京のクライアントが多いですが、この距離があるからこそ急な呼び出しもなく自分たちの仕事に集中できるというメリットがあります。周囲の同じ業界の人たちは大抵知り合いですし、情報交換は普段から行っています。」

— 都心でもないが、地方すぎるわけでもない…という感じですね。

「私の想いとしては千葉を格好よくしたいと思っています。カヤックさんたちが鎌倉をWeb制作会社にとって格好のいい、モダンなイメージにしていったように私たちも千葉を格好よく、憧れる街にしていきたいと考えています。」

編集後記

インタビュー後、一年かけてリニューアルされたという新オフィス内を見学させていただきました。こだわった壁紙、中央にある大きなテーブルと気持ちよく働けそうなスペースとなっていました。実際、落ち着いた雰囲気の中、もくもくと仕事をされていて集中できる雰囲気が感じられました。

半端な自社サービスには手を出さないという確固とした思いを受託一筋というポリシーに込めたかっぺ社。その思いはインタビュー中もとても強く感じられました。

本記事で紹介している「さくらの専用サーバ」は現在、新規お申し込み受付を終了しており、後継サービスとして「さくらの専用サーバPHY」を2020年7月28日より提供しています。

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株式会社かっぺ
事業内容
システム開発事業、デザイン事業、マーケティング事業、サーバー運用・構築事業
設立
2000年4月13日