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国立大学法人 東京大学
東京大学がさくらで「WEB PARK」を刷新。サービス利用者が増えて満足度も向上。
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インタラクティブ広告やソーシャルキャンペーンといったwebマーケティング企画・制作と、ユニークなアプリ開発が強みのピクルス。ビジネスのスピードを支える秘訣を聞いた。
2003年に創業した株式会社ピクルス(以下、ピクルス)は、これまでの約13年間、強みとするFlash技術を生かしたインタラクティブ広告をはじめ、バナー広告からソーシャルキャンペーンにいたるまで、Webマーケティングの分野においてさまざまな企画・制作を行ってきた。その優れたクリエイティブ力は、「第63回広告電通賞」のクロスメディア・モバイル・他部門最優秀賞、「DIGITALSIGNAGE AWARD2010」のアドビシステムズ賞、「第5回東京インタラクティブ・アド・アワード」の入賞など、数々の賞歴からも裏付けられている。そして2010年以降においても受託件数は着実に増え続けている。
こうしたビジネスの好調は、何によってもたらされているのだろうか。同社の山下美緒氏が挙げるのが「安定したサービスレベルを提供するWebサイト運営」と「優れたコスト・パフォーマンス」の2つのポイントである。
「Webサイトを運用している実績として、デイリーで5万UU(ユニーク・ユーザー)のアクセスが発生しても問題のないレスポンスを維持しています。もちろん、サイトがダウンするといった障害も皆無です。安定した高信頼のサービスを、競合他社よりも格段にリーズナブルなコストで提供することで、クライアントや代理店の皆様から高い評価をいただいています」(山下氏)
Web広告に続く事業の柱として、近年ピクルスが注力しているのが、iPhoneやAndroid端末などのスマートデバイスをターゲットとしたアプリ開発である。
『ニートから社長になろう!』という刺激的なコピーで注目を集めた「ライフタイマー」というアプリもその1つ。「次の年代までの時間」「起床時間」「就寝時間」「出勤時間」「退勤時間」「休日」といった人生での区切りや日常生活での区切りまでの残り時間を、スマートデバイスに一覧表示して常に確認できるというものである。
「夏に向けていつまでにダイエットするという時間を設定するなど、人それぞれの目標に合わせたカウントダウンを行えます。当社では、仕事中ほとんどの社員がデスクトップにタイマーを表示し、作業クリア時間を意識しながら仕事をしていました。意外とこれが集中力を発揮していたことから、開発のヒントになりました」(山下氏)
2013年7月末には「Pic Twick」というTwitterクライアントもリリースされた。こちらのアプリは、従来のTwitterクライアントで物足りなさを感じていた画像ビューアの機能を強化したもので、LINEでよく見られるような「スタンプ」を使ったコミュニケーションをサポートしているのが特長である。
Webマーケティングのビジネスは案件化から受注、納品までのサイクルが非常に早い。ピクルスにおいても例外ではなく、限られた時間の中で、いかに優れたクリエイティブをアウトプットできるかが勝負だ。
「Webキャンペーンは展開するタイミングがとても重要で、新しい案件が決まってからサイト公開まで、通常は約2週間というタイトなスケジュールですべての作業を終えなければなりません。サーバ構築といった準備に時間をかけている暇はなく、可能な限り多くの時間をクリエイティブ作業にあてたいのが切実な思いです」(山下氏)
だがサーバ構築には手間とコストがかかるのが悩みだ。
「サーバ構築を社外のSIベンダーを頼ると、1案件あたり20~30万円といったコストがかかってしまいます。また、OSの修正パッチの適用やセキュリティ対策のアップデート、データベースのバックアップなど、日々の運用管理のためにも専任者をアサインしなければならず、人件費がかさんでいきます」
そこでピクルスが目をつけたのが「さくらのマネージドサーバ」である。さくらのマネージドサーバとは、サーバ1台を専有し、CPUやメモリなどサーバのリソースを独占できるレンタルサーバサービスだ。一見すると専用サーバサービスを思い浮かべるところだが、管理者権限(root権限)をさくらインターネット側で管理する点が違っている。サーバの構築や運用管理にまつわるさまざまな作業を、さくらインターネットが全て代行する。
さくらのマネージドサーバを選択している理由を、山下氏はこのように話す。
「一番大きなメリットとして考えているのは、OSのインストールやネットワークの設定など、初期のサーバ構築の作業がすべて完了した状態で引き渡されることです。また、固定費として発生する月額料金がもともと割安に抑えられていることに加え、こうした周辺コストの一切を削減することができます」
さらに山下氏が強調するのが「申し込んだ翌日にサーバを調達できる」というスピーディな対応だ。
「サーバ調達に時間がかかっては競争力が保てない。さくらインターネットのスピード感を持ったサービス体制はそのまま当社の強みになっています」
もちろん、必要なサーバをより手軽に、より早く、より安いコストで調達したいのであれば、より安価な共用型レンタルサーバサービスを選択するという手もある。しかし、この方法については、山下氏は明快に否定する。
「マルチテナントで運用されているレンタルサーバでは、同居している他のユーザーのシステムに高い負荷が発生した場合、私たちのサイトにもその影響が及んでレスポンスが低下してしまう心配があります。例えばキャンペーンでアンケートなどを行っている場合、画面の切り替えやフォームでの入力で数秒待たされると、お客様はすぐに操作をやめて他のサイトに移ってしまいます。これはクライアントが最も懸念していることでもあり、考えられるリスクは最初からできるだけ排除しておかなければなりません。このような視点からも、1社占有型のさくらのマネージドサーバは適しています」
同社は今後、コンシューマー領域からBtoB領域へシフトした、より大規模なアプリケーション開発も視野に入れている。
「培ってきたWeb広告モデルとアプリケーション開発力を武器に、より法人顧客に選んでいただけるサービス開発に本格的に乗り出していきます」(山下氏)