採用の決め手はコストパフォーマンスの良さと信頼性の高さ 躍進中のCMSサービスを支える「さくらのVPS」
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電子カルテシステム「カルテ Man・Go!」をはじめ、医療現場の業務効率化と情報の一元管理を支援するソリューションを提供する株式会社コア・クリエイトシステム。「カルテ Man・Go!」は急拡大中で、導入数は総合病院やクリニックを中心に全国100施設を突破しました。サーバー基盤には「さくらの専用サーバ PHY」が活用されています。今回はコア・クリエイトシステムへインタビューを実施し、さくら専用サーバ PHYの導入背景と効果、今後の展望などを聞きました。
1991年に宮崎県で設立されたコア・クリエイトシステムは、医療業界に寄り添うシステムメーカーとして30年以上にわたり医療従事者を支援してきました。主力プロダクトは、病院・診療所向けに提供する電子カルテシステム「カルテ Man・Go!」。紙のカルテに比べ、情報管理の効率化・即時性、記載ミスの防止などの観点で、医療従事者の業務効率化に貢献しています。

「メーカーだけでなくシステムベンダーの側面もあります。導入に伴うサーバー基盤の構築、導入後の運用保守、24時間365日のサポート体制により一気通貫でサービスを提供しています。また、ご依頼があれば、医療だけでなく、民需公共システムなども開発しています」(荒木氏)
病院でシステム構築をおこなう際、まだまだオンプレミス版が多いなか、クラウド版の受注も少しずつ増えているといいます。さくらインターネットとの取引が始まったのは今から約4年前。心臓疾患に関する専門医療機関「札幌ハートセンター」への導入を皮切りに、クラウド版のサーバー基盤には、さくらの専用サーバ PHYを活用しています。

クラウド版を希望する医療機関の課題について、京都営業所 部長代理 寺田 有伺さんは以下のように話します。
「サーバー室を持ちたくないという要望が多いんです。地方病院などは部屋数が少ないなか、サーバーを設置するスペースを確保するために患者部屋を1つなくすところもあるほどです。院内のサーバー設置に否定的な医療機関であれば、クラウド版を選んでもらうことが多いですね。直近では、クラウドを希望される病院も増えていますよ」(寺田氏)
4年前からさくらインターネットと取引がある同社ですが、クラウドへのニーズが高まる中、社内で今一度大手海外クラウド2社と比較検討をおこなったといいます。
「海外サービスとも比較しましたが、さくらインターネットはコストが圧倒的に安価でした。それでいて、利用面は他社と比べても遜色ありません。また、病院側に提案する際も、国産ベンダーである点や知名度の高さなどが評価され、導入もスムーズに進むことが多いです」(寺田氏)
現在、同社が提供する「カルテ Man・Go!」の導入先のうち、クラウドでサーバー構築した医療機関は、20施設を超えます。そして、そのすべての施設おいて、さくらの専用サーバ PHYは安定稼働を実現。光回線の影響で動作遅延などが発生することもあるそうですが、システム・サポート事業部 主任 久保田 誠也 さんは「データセンター起点での障害は今まで一度もない」といいます。
「安定稼働していますし、コントロールパネルの操作も直感的でわかりやすい。マニュアルも充実しているので、不満は今のところまったくないですね。また、病院という特性上セキュリティ面を重視した設計にしており、オプションのファイアウォールサービスも活用しています」(久保田氏)
同社では、さくらの専用サーバ PHY以外にオブジェクトストレージも活用しています。オブジェクトストレージは、大量のデータをスケーラブルに保存できるAmazon S3互換APIを備えたストレージサービスのこと。定額従量制で、さくらインターネットの各サービス間のデータ転送量は無料で利用できます。
オブジェクトストレージは、電子カルテシステムのバックアップ先として活用されています。定期的なバックアップを実施し、データ保全を図るとともに、障害発生時の迅速なリカバリを可能にしています。
また、オンプレミス版の電子カルテが導入されている医療機関でも、クラウド上のオブジェクトストレージをBCP対策として導入されるケースも多いといいます。これらの取り組みに関しては、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠し、医療情報の機密性・完全性・可用性の確保を重視した設計にするよう注力されています。
オブジェクトストレージについて、品質管理部部長 中武 豊伸 さんは「リストアされた状態でバックアップできる点が嬉しい」と語ります。
「医療機関を標的としたランサムウェアなどのサイバー攻撃は世界中で猛威を振るっているため、電子カルテのバックアップは重要な対策の1つだと思っています。ただ、他社のサービスでは、差分バックアップを取ることが多く、実際に攻撃された際に復元まで相当時間がかかることが予測されます。一方で、さくらインターネットのオブジェクトストレージはつねにリストアされた状態でバックアップできる。たとえ被害に遭っても、復元までが早く通常業務への影響を最小限に抑えられます。災害対策という側面でも重宝しています」(中武氏)
同社では、さくらのVPSとオブジェクトストレージを組み合わせてオフラインバックアップサービスを構築しています。院内のサーバーから夜間にオブジェクトストレージへデータのアップロードを実施、さくらのVPS上のサーバーからオブジェクトストレージ上のデータをダウンロードし自動リストアを行いカルテが参照できる状態で保管しています。

同社では、今後「カルテ Man・Go!」がもたらす利便性や現場の負担軽減といったメリットを、さらに多くの医療機関に拡大していく考えです。
「すでに当社の電子カルテを導入している病院のグループ先への提案を検討しています。たとえば、総合病院に紐づいている精神医療の施設や介護施設などに導入を進めていきたい。同じ電子カルテを導入することで、カルテの情報共有や連携などもスムーズになり、そこで働く医療従事者の方々の業務効率化に寄与できると期待しています」(荒木氏)
また、昨今の物価高騰や人件費の上昇で、経営がひっ迫している病院も多く、コスト面への配慮がこれまで以上に重要になってきているといいます。
「さくらインターネットには、高い信頼性・セキュリティを維持しつつ、低コストで導入・運用できるクラウドサービスの提供を引き続きお願いしたいです」(寺田氏)
最後に、取締役 営業本部長 福島 憲生さんから、さくらインターネットのカスタマーサクセス部隊について「非常に頼もしい」との言葉がありました。
「医療機関へ営業を進めていくなかで、当社としてはメリット・デメリットを鑑み、災害対策などの観点からもクラウドを推していきたいと考えています。ただ、まだオンプレミス版の価格のほうが安いという現状があります。そうした病院へ営業する際に、さくらのインターネットの担当営業の方が親身に相談にのってくださり、時にはクラウドのメリットを記載した資料も作ってくれました。一緒に営業プレゼンに出席しましょうか? と提案してくれたこともあります。そうしたサポート体制もさくらインターネットの良さだと思いますし、今後も頼りにしています」(福島氏)
※掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
