- WEBサービス&アプリ提供者
チエルコミュニケーションブリッジ株式会社
登録ユーザー数300万人以上のeラーニングシステムを支えるさくらのクラウド
- クラウドサービス(IaaS)
美容医療に特化した口コミ・予約アプリ「トリビュー」を運営する株式会社トリビュー。同社は、「美容施術の正しい情報を知りたい」というニーズに応えるため、美容クリニックや審美歯科の施術事例を豊富な画像とともにユーザーに提供し、美容医療の透明性向上を目指しています。さくらインターネットの画像変換・配信エンジン「ImageFlux」を導入した経緯や、導入後の効果について、株式会社トリビューのエンジニア、植田健介さんにくわしく聞きました。
植田氏 トリビューは美容医療の口コミから始まったサービスです。美容医療は自由診療が多い関係で、クリニックごとに施術費用に大きな差があったり、国内未承認の機器や薬剤も多かったりします。そのため、ユーザーは「信頼できるクリニックを見つけたい」ですとか、「施術の効果を知りたい」という強いニーズを持っています。
そのニーズに応える手段の1つとしてトリビューでは、施術の「ビフォーアフター」がわかる写真を提供しています。鼻の形成や輪郭リフトアップ、肌施術や歯のホワイトニングなど、あらゆる「見た目の変化」を鮮明に見せるために高解像度の画像を配信し、ユーザーは必要に応じて毛穴まで見えるほどまで拡大して情報を得ます。また、クリニックや投稿ユーザーにも、自身の事例を高解像度で発信したいニーズがあり、デジタルカメラの機能向上や市場の拡大とともに、取り扱う写真のデータサイズがどんどん大きくなっていきました。
こうした状況のなかで、ページ表示速度の低下が深刻化しました。Googleの「PageSpeed Insights」では、推奨スコア75点に対して10点台のページもあり、ユーザーが体感で「遅いな」と感じたり、画像処理でエラーが出てしまったりするようなケースがありました。
ImageFlux導入前の時点で、1日あたりの投稿数は1,000件。投稿画像の総数はおよそ62万点ありました。当時は内製開発した画像変換処理プログラムで、すべての写真をあらかじめ複数種類のサムネイルにしてストレージに保存し、用途に合わせて配信するような仕組みでした。そのため、画像変換処理の運用負荷が大きく、表示速度は遅く、ストレージの圧迫も深刻で……。さらにサービスの成長とともに、画像サイズの大小や、ウォーターマークの有無など、必要な画像のバリエーションが膨大になり、もはや限界という状況でした。
ユーザー体験を向上するには「美しい写真を、すぐに閲覧できること」を叶える必要があります。以上のような状況から、画像の配信や処理の方法を根本的に改善する検討を始めました。
ImageFluxを選定した最大の理由は「すぐに、安価で」始められるサービスだったためです。始めやすいのであれば、万が一合わなくてもすぐにやめられます。そこでImageFluxを「とりあえず使ってみる」を最初の一手にしました。問い合わせをして数日でトライアルアカウントが発行され、すぐにテスト環境でトライアルを始めました。すぐに明確な効果が出たため、そのまま本契約をしています。
私たちの求める画像処理は、特別に複雑なものではなく、CDNと画像変換というごく標準的な機能でした。その点でも、ImageFluxは必要な機能だけが過不足なく揃っていて、安価に始められるので願ったり叶ったりでしたね。
2020年の12月末に検討を開始し、CTO小尾がさくらインターネットに問い合わせて、年始にはトライアルが始まりました。CTO小尾自身が使ってみて、すぐに効果が実感できたのでそのまま本番環境への実装を進め、2021年1月には完全導入が済んでいます。テストから導入完了まで、すべて含めても1か月もかからなかったと思います。
導入作業はCTO小尾を中心に、3名ほどのエンジニアが担当しました。実作業としては、一般的なドメイン変更やパラメータ埋め込みのみです。とくに難しいこともありませんでした。
導入の効果は、本番環境でもすぐに出ました。まず、PageSpeed Insightsのスコアが40点台まで上昇しました。私たちが目標としていたのが80点以上なので、まだ十分に速いとは言えませんが、それでもImageFlux導入という一施策だけでスコアが30も上がったのは大きな成果です。体感的にも画像の表示速度が目に見えて向上しました。社内の他部署メンバーからも「以前よりもサクサク表示される」と好評を得ています。
同時にストレージの節約にもつながりました。以前はオリジナルの画像に加えて複数のサイズの画像を事前に作り、ストレージに保存していましたが、いまはImageFluxがオリジナル画像から動的にサムネイルを作ってくれています。事前に作り込む必要がないため、ストレージを圧迫することもなくなりました。
また、複雑化しつつあった内製の画像変換プログラムを、ImageFluxによって簡素化でき、開発面にも好影響がありました。たとえば、スマートフォンの端末やPCの画面サイズなど、ユーザーの閲覧環境に合わせた動的なサムネイル生成も、ImageFluxを使えば簡単におこなえます。開発コストを削減できたほか、プログラムのメンテナンスが容易になり、柔軟なサービス開発が可能になりました。
サービス特有なところでいうと、ウォーターマークの追加ができるようになったのも大きな進歩です。美容に関する写真はユーザーのプライバシーにも関わるため、無断転載の抑制施策として透かしでロゴを追加しています。自社での作り込みは一切必要なく、ページにウォーターマーク用のパラメータを埋め込むだけで実現できました。
今後はもっとImageFluxをヘビーに使い倒し、美容医療業界におけるさまざまなニーズに応えたいです。オンライン診療やドクターズコスメのEC、ストリーミング配信など、今後始めたい事業のあらゆる場面でコンテンツ配信の高速化がより重要になることは間違いありません。そのうえで、ImageFlux をはじめとしたさくらインターネットの各種サービスにおおいに期待しています。
すでにここ1~2年における美容医療市場の成長は著しく、トリビューの月間ユーザー数も大きく増加しています。ユーザー増加にともないコストが上昇した時期があり、さくらインターネットに相談したところ、利用状況に合わせた新プランをすぐに提案くださりました。始めやすく、安心して使い続けられるサービスだと思います。複雑な設定は必要なく、独自ドメインも利用できるので、単純に導入するだけなら既存のコードをそのまま使えます。当社と似たような課題感をお持ちの方であれば、気軽に試してみてはいかがでしょうか。