- WEBサービス&アプリ提供者
株式会社メディア・マジック
サービス可用性とコストパフォーマンス、さらにサポート品質で「さくらのクラウド」を選択
- クラウドサービス(IaaS)
株式会社アットシステムは、1998年に創業し2000年に法人化したシステム開発会社です。もともとは受託開発を請け負っていた同社ですが、近年では教育系サービスのシステム開発・運用を中心に事業を行っています。同社が手がけているインターネット出願システム「Ckip(キャンパスキップ)」は、私立中学・高等学校の入試シーズンだけアクセスが急増するため、リソースの増減が容易なサーバーを同社は探していました。ニーズに合致したのが「さくらのクラウド」です。これまで同サービスでは「さくらのVPS」を利用していましたが、アクセス数に応じたリソースの増減が可能な「さくらのクラウド」へ移行したことによりコストダウンが実現しました。
株式会社アットシステム(以下、アットシステム)が展開する教育系サービスには、一斉連絡システム「eメッセージ」、インターネット出願システム「Ckip(キャンパスキップ)」、学校専用勤怠システム「勤怠先生」の3つがあります。その中でも東海地方を中心としてシェアが大きいのが「Ckip」です。
もともと受託開発を請け負うシステム開発会社でしたが、教育系サービスを展開するようになったきっかけは、本業以外のところにありました。
「もともとは本業ではなく、私の子どもが通っている学校のPTA活動が始まりでした。PTA活動における一斉メール配信を当社が行い、学内の口コミで広まったのが、教育系サービスを始めたきっかけです。やがて、他のサービス開発のリクエストが増え、今のラインナップになりました」と、同社の代表取締役である佐宗美智代氏は話します。
同社のサービスは、これまで「さくらの専用サーバ」や「さくらのVPS」で運用されていました。
2016年に同社のサービスとして加わった「Ckip」は運用当初、利用学校が1校だったため「さくらのVPS」で運用を続けていました。しかし利用している学校数が増えてきたことによる課題もありました。
「『Ckip』は私立中学・高等学校への入試書類をインターネット上で出願するシステムです。そのため、アクセスのピークは毎年12月~2月であり、それ以外の月はアクセスが極端に減ります。VPSサーバの場合はリソースを増減できず『Ckip』のようなサービスには不向きでした」(佐宗氏)。
その点「さくらのクラウド」では、サーバリソースのスケールアップ・ダウンが可能であり、繫忙期と閑散期に合わせたコストパフォーマンスを発揮するため移行先の候補に挙がりました。
同社は東日本大震災で社屋が被災した際に利用していた「さくらの専用サーバ」がダウンすることなく稼働し続けた経験から、さくらインターネットのサービスには高い信頼を置いていました。この出来事が「さくらのクラウド」利用の決定打になりました。
移行後、2018年に北海道胆振地方東部地震が発生。石狩で起こった大規模停電の中でも「さくらのクラウド」は稼働し続けました。
「大規模停電を乗り越えたことで『さくらのクラウド』には、社内だけではなくお客様からも厚い信頼をいただけるようになりました」(佐宗氏)。
「さくらのVPS」から「さくらのクラウド」への移行はスムーズに行えたと、同社のシステム開発部 副部長である西岡久季氏は話します。
「たまたまOSのアップグレードのタイミングと重なったのですが、移行に影響はありませんでした。『さくらのクラウド』のコントロールパネル画面は操作がとても分かりやすくていいと思っています。どれくらいのアクセスがあるのか稼働状況も分かりやすいので、スペック増減のタイミングの分析もしやすいです」。
複数リージョン間でバックアップ体制を取れることのメリットが大きいと西岡氏はいいます。
「東京データセンターを使っていても、石狩データセンターにバックアップを取ることができます。このように広域で接続できるのも大きな利点です」(西岡氏)。
「Ckip」では、機密性の高い個人情報を扱う観点から出願データに関しては「専用サーバ PHY」で保管をしています。「PHY」ではインターネットに直接繋がらない設定をしているため、学校のお客様からの信頼性を高めています。
「『専用サーバ PHY』のデータベースは『さくらのクラウド』とハイブリッド接続で連携できます。その点でも『さくらのクラウド』に移行して便利になったと思っています」(西岡氏)。
「Ckip」内には「インターネット出願システム」だけでなく、中学校向けの「調査書Web登録システム」というラインナップもあります。これは教育委員会や中学校の要望を受けて、国内で初めてできた調査書(内申書)のWeb登録サービスです。
「『調査書Web登録システム』は『インターネット出願システム』と連携したシステムで、入試書類のペーパーレス化などを実現しています。本システムは他府県からの出願にも対応しています。愛知県と三重県の高等学校・高等専修学校全71校への調査書出願に際して2023年度入試では全国33都道府県の中学校にご利用いただいています」(佐宗氏)。
同社では「Ckip」以外にも社内システムに「さくらのクラウド」を利用しています。
「バックオフィスのシステムも『さくらのクラウド』で運用していますが、簡単にディスクイメージのバックアップが取れます。バージョンアップをしてシステムに不具合が生じたときでも、ディスクイメージからバージョンを戻せば今まで通りに動くようになります。また、スペックをすぐに上げたいときにも簡単にできるので助かっています」(関氏)。
愛知県と三重県では大きなシェアを持つようになった「Ckip」。ただし、その他の県ではまだまだ広げていく余地はあるといいます。
「現在『Ckip』は、愛知県と三重県以外ではまだまだシェアが少ないサービスです。今後は『さくらのクラウド』の使い勝手と信頼性を武器に『Ckip』のシェアをさらに拡大していきたいと考えています」(佐宗氏)。