構成例

さくらのクラウドとImageFluxで解決するリッチコンテンツの課題

多種多様な商品を扱うECサイト、今やリッチコンテンツが当たり前になったポータルサイトやSNSにおいては、大量の画像ファイル配信が必要になります。さくらのサービスを組み合わせて、画像処理・転送負荷を軽減しつつ安定したWebサイトを展開するためのポイントを解説します。

要求
トラフィックの緩和とコスト最適化
大量の画像コンテンツの収容と配信
可用性の確保
解決策
ミニマムスタート可能なサービス提供環境構築
画像CDN導入によるコンテンツ最適化/サーバー負荷軽減
ロードバランサを用いた負荷分散

リッチコンテンツへの対応

現代のWebサービスでは、画像や動画、インタラクティブなUIなどリッチコンテンツの実装が当たり前になっています。

しかし、こうしたコンテンツの提供には、単なる文字情報の提供と異なり、高い処理能力・帯域とデータ容量が必要です。すべてを単機のサーバーとブロックストレージに任せていると、十分な可用性・拡張性を確保することができません。

また、ユーザーの利用する端末に応じて表示を変える必要も出てきます。スマートフォンとPCはもちろん、タブレットやスマートテレビといった従来は対応してこなかったデバイスからのアクセスも増えており、Webサービスにはより柔軟な対応が求められています。

今回の構成例では、さくらインターネットで提供しているCDN(ウェブアクセラレータ)と画像特化型CDN(ImageFlux)を用いたリッチコンテンツの変換・キャッシュ配信と、拡張性の高いさくらのオブジェクトストレージを用いたデータ容量の確保を実現することでこれに対応しています。構成例2ではロードバランサを用いたサーバーの負荷分散も実現しています。

クラウドならではのミニマムスタート

最初から堅牢なWebサービスを提供できるのであればそれに越したことはありません。しかし、実際のサービス提供にあたっては予算や開発リソースと相談しながら、最適解を探ることになります。

さくらのクラウドでは、他のパブリッククラウド同様、ミニマムスタートでのアーキテクチャ構成を取ることが可能です。まずは業務要件を満たす最小構成を取りつつ、サービスの成長に応じてそれを拡張していく、というものです。

今回の構成例では、コストパフォーマンスと将来的な拡張性を意識した設計をご提案します。

構成例1(画像配信を切り分ける)

拡張性を意識した最小構成

DMZに配置するWebサーバ1台と、データベースアプライアンスでの構成です。外部接続は共有セグメントを利用することで、低コストを実現しています。いずれも定額制のサービスであるため、予算の見通しも立てやすくなっています。

将来的にロードバランサによる負荷分散・スケールイン/アウトを追加したり、データベースにリードレプリカを持たせるといった拡張も可能です。

画像コンテンツはマネージドサービスに振り分ける

さくらインターネットで提供しているさくらのオブジェクトストレージとImageFluxを使用することで、画像コンテンツの保管・変換・キャッシュ配信の実装をマネージドサービスに振り分けています。サービス提供者は画像コンテンツをさくらのオブジェクトストレージに格納し、変換パラメータを付けてImageFluxから呼び出すだけで、各種端末に対応した画像の生成・変換が可能です。Webサーバ側のトラフィックの軽減にも貢献します。オブジェクトストレージは基本料金、ImageFluxは2個までの異なるドメインでの画像をホストできるベーシックプランで算出しています。

品目リージョン参考価格(月額)
※2025年10月時点
サーバー
(2Core2GB)
石狩第3ゾーン3,300円
ディスク
(SSD100GB)
石狩第3ゾーン3,850円
スイッチ石狩第3ゾーン2,200円
データベースアプライアンス
(30GBプラン)
石狩第3ゾーン8,580円
さくらのオブジェクトストレージ(基本料金)※石狩第1サイト495円
ImageFlux 画像変換・配信エンジン(ベーシック)5,500円
合計金額(税込)23,925円

※オブジェクト数、リクエスト数が基本料金の提供範囲を超過する場合、従量課金が発生します。

構成例2(キャッシュ配信と負荷分散の活用)

負荷分散の実装

サービスが成長して提供する機能やアクセスが増えてくると、その負荷分散が必要になってきます。この構成例ではエンハンスドロードバランサを配置することで、リクエストを適切に各Webサーバに振り分けています。さらに成長が見込まれる場合には、スケールイン/アウトの実装も検討するほか、外部接続を共有セグメントからルータ+スイッチに置き換えることで帯域の確保も狙えます。

複数台サーバーのデータを共通化して管理を楽にしたい場合は、NFSアプライアンスの追加も検討します。

CDNの活用

ImageFluxでは対応していない画像以外のコンテンツのキャッシュ配信も、ウェブアクセラレータを導入することによって実現しています。ウェブアクセラレータにキャッシュされたデータは、Webサーバへの問い合わせが発生することなく、ウェブアクセラレータ側から直接ユーザーに配信されます。ImageFluxは引き続き画像変換・キャッシュ配信に用い、マネージドサービスのコストメリットを享受します。動画コンテンツをホスティングする場合には、ウェブアクセラレータをオブジェクトストレージに直接繋げるのも1つの選択肢です。

品目リージョン参考個価格(月額)
※2025年10月時点
サーバー2台
(2Core2GB)
石狩第3ゾーン6,600円
ディスク
(SSD100GB)
石狩第3ゾーン7,700円
スイッチ石狩第3ゾーン2,200円
データベースアプライアンス
(30GBプラン)
石狩第3ゾーン8,580円
さくらのオブジェクトストレージ
(基本料金)※
石狩第1サイト495円
エンハンスドロードバランサ
(100CPS)
石狩リージョン385円
ウェブアクセラレータ
(月間転送量 2,000 GiB)
10,000円
ImageFlux 画像変換・配信エンジン
(ベーシック)
5,500円
合計金額(税込)41,460円

※オブジェクト数、リクエスト数が基本料金の提供範囲を超過する場合、従量課金が発生します。

その他参考情報

技術情報説明
クラウドマニュアルさくらのクラウドのトップページです。
スイッチとルータ+スイッチの違いスイッチ, ルータ+スイッチの違いについて説明しています。
負荷分散のパターン4種類のロードバランサアプライアンスの違いについて説明しています。
ウェブアクセラレータウェブアクセラレータのトップページです。
ImageFlux 画像変換・配信エンジンImageFluxのトップページです。

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