著名な声優陣が王子様を演じるスマホパズルRPG『夢王国と眠れる100人の王子様』
この人気ゲームを運用する株式会社ジークレストは、
専用サーバをメインに、クラウドとのハイブリッド接続を活用することで
本番サービスから負荷テストまですべての運用をこなせています。
- 導入前の課題
- ●スマートフォンアプリ向けの強いインフラ
●止まらないサービス
●コストパフォーマンス
- 導入後の効果
- ●物理サーバの迅速なリソース追加
●メンテナンス時にサービスに影響しない日時調整
声優陣が世界を創り出す 夢王国と眠れる100人の王子様
2015年3月から配信を開始した、
女性向けスマートフォン アプリ
『夢王国と眠れる100人の王子様』。
豪華声優キャス トが100人の王子様を演じて
ストーリを盛り上げる
http://www.yume-100.com/
スマートフォンゲームの開発・運用会社である株式会社ジークレストは、2015年3月にiOS、Android端末向けアプリ「夢王国と眠れる100人の王子様」リリースしました。このアプリは著名な男性声優陣が物語を展開し、ゲーム中に応援ボイスが挿入されるなど、憧れの世界を創り出して人気を博しています。
アクセス負荷も相当になるこのゲームの運用は、石狩にあるさくらの専用サーバをメインに、さくらのクラウドとのハイブリット接続で運用されています。
コストパフォーマンスなども評価して専用サーバをメインに選択
同社では専用サーバとクラウドの住み分けについてはとくに意識せずに利用しています。「専用サーバとクラウドでコスト評価をし、専用サーバのほうがコストを抑えられるとわかりました。はっきりポリシーを決めている訳ではないのですが、パフォーマンスが必要で利用計画が明確なものは専用サーバで運用していくと思います。専用サーバとクラウドを意識しないで同じように使えるのがメリットだと感じています。」(ジークレスト 河氏)。
パフォーマンスが求められるDBサーバは、大量メモリを搭載したSSDストレージにFusion-ioも搭載した高性能構成、APPサーバはメモリ16GB+SSDの標準的な構成で、帯域も標準構成のまま100Mbps共有で運用しています。
ネットワーク帯域は専用サーバ標準の100Mbps共有で構成可能
大量のアクセスがあるスマートフォン向けアプリでは、サーバ負荷はもちろんですが、帯域確保も気になるところです。「ゲームアプリですので設計としてはCDNありきです。画像などのスタティックなファイルはCDNで配信し、ダイナミックなものは手元で配信します。APPサーバからの配信はJSONのシンプルな文字列がメインで、開発にあたって帯域も調査しましたが、標準構成で十分だと判断しました。」(河氏)。
フロントのAPPサーバは9台構成で運用しており、理論上100Mbps共有×9=900MB共有という構成になります。「サービス開始後も帯域が問題になったことがありません。ざっとですが1台あたり半分以下ぐらいの帯域で収まっています。APPサーバはCPUもメモリもまだ余裕がある状態です。」(河氏)
負荷テストではクラウドを使い一時的に帯域を広げて実施
同社では、サービスの負荷テストの実施にあたってクラウドを活用しました。疑似クライアントをクラウド上で追加し、専用サーバとCDNで構成されるサービスに対して負荷を掛けました。その際、想定ユーザ数のクライアントを構成すると、クラウドの出口が標準ネットワーク帯域100Mbps共有では足りないということがわかりました。そこで同社では一時的にクラウドのネットワーク帯域(ルータ+スイッチ)を広げることで負荷シミュレーションを可能としました。負荷テストは日常的に行うものではない一過性のものであり、普段から広い帯域を確保しておくとコストも嵩むため、クラウドの特性を生かした活用方法といえます。
TV CMの影響で、DBサーバを追加、構成も変更
本サービスでは運用開始後にDBサーバの増強・構成変更を行っています。1つはTV CMを流した際、想定より非常に多くのユーザが入ってきたためです。この際、DBサーバ向けに専用サーバを追加し、処理能力を当初設計の1.5倍に強化しました。また、DB用のストレージに使っていたFusion-ioも容量の大きいものに変更しました。これらの対応はあらかじめ在庫の確認ができていたことで迅速に行えました。DBサーバ関連ではこの負荷対策以外にも、専用サーバをいくつか追加し、クラウド側で運用していたDBサーバのバックアップを専用サーバ側に移行させています。これは「最悪の場合、バックアップサーバを本番サービスにも投入できることも念頭においた保険的な構成変更です。」(河氏)。現在は、DBサーバに関わるものはすべて専用サーバ上で運用し、バックアップサーバは統計・解析処理やサポート対応にも利用しています。
「これまでのところ大きな問題はないのですが、ゲームのサービスは、爆発的にユーザが入ってくるときもあり、いつトラフィックが増えるのかわかりません。そのときに対応できないのは論外ですし、見込みより増えたときに対応がどのくらい迅速にできるか、その点が普段から一番気にしているところです。クラウドではなく専用サーバをメインに選択したがゆえの心構えになるでしょうか。」(河氏)
※本記事の内容は掲載日時点(取材日時点)のものです。
- 住所:
- 東京都渋谷区円山町28番1号 Daiwa 渋谷道玄坂ビル
- 資本金:
- 1億円(株式会社サイバーエージェン ト子会社)
- 事業内容:
- スマートフォンアプリの企画・開発・運営
アバターコミュニティサイトの企画・開発・運営
海外系のサーバサービスの場合、ハードウェアの増設・変更やインフラ側のメンテナンス日時について相談しながら進めることはあり得ないのですが、さくらインターネットさんの場合は担当の方と相談でき、調整してもらえるのがメリットだと感じています。たとえば、そろそろサーバのスペックが足りなくなりそう、これが必要かもしれませんと相談し、事前に在庫を確保しておいてもらって迅速に負荷対応を進めることができたことは本当にすごく助かりました。