全国に1,450のフランチャイズ店舗を構え、日本最大のネットワークを持つレンタカーチェーンであるニコニコレンタカーでは、毎日膨大な量のデータ転送が発生しています。そのデータ転送を支えていたのは「さくらの専用サーバ」でしたが、導入から7年以上が経過したほか、サーバーOSのサポート終了が決定したことでサーバーリプレイスを検討。採用したのは「さくらの専用サーバ」を高機能化したリニューアルサービス「さくらの専用サーバ PHY(ファイ)」でした。他社クラウドも候補の1つとなっていましたが、サポートの手厚さから後継サービスを選択したといいます。
- 課題
- サーバー自体が老朽化している
- サーバーの拡張性が低い
- サーバーOSのサポート終了が決定
- 効果
- 最新のさくらの専用サーバ PHYを採用
- 高機能化することで拡張性を獲得
- サーバーOSをバージョンアップ対応
レンタカーを安く提供できる「格安レンタカー」として名前が知れ渡る
ニコニコレンタカーのサービス提供開始のきっかけは、ガソリンスタンド事業からの波及としてお客様が車検に出す間の代車手配業務を行っていたのがスタートです。
車検のトップシーズンは毎年3月で、その時期に合わせて代車を保有していましたが、それ以外の時期もその代車をレンタカーとして有効活用しようと考えたことからニコニコレンタカーが立ち上がりました。
ニコニコレンタカーの特徴は、店舗の7割がガソリンスタンドとの並業スタイルを取っていることです。そのため、大きな追加投資をしなくてもレンタカー業を運営できるのが最大のポイントとなります。
そのため、大手自動車メーカー系のレンタカー会社よりも、レンタカーを安く提供でき「格安レンタカー」として名前が知られるようになりました。「これまでは、中古車を格安レンタカーとして提供していました。ただ最近ではニコニコレンタカー自体の知名度も向上し、お客様からは品質の高さを求められることもあり、新車や販売から3年以内の高年式低走行車も増やしています」とMICの古賀英太郎氏(企画開発チームWeb担当)は語っています。
OSサポート切れにより、リプレイスをさくらの専用サーバPHYに
ニコニコレンタカーのシステムの構築を担当しているのは、システムやソフトウェアの受託開発を行っている株式会社グローバルコミュニケーションズです。同社では以前からMICやホームネットカーズのシステム構築を担当しており、ニコニコレンタカーのシステムも立ち上げ当時から担当していました。
ニコニコレンタカーでは、2014年にも「さくらの専用サーバPHY」の前身である「さくらの専用サーバ」へサーバーリプレイスを行いました。それから7年以上が経過しサーバー自体が古くなり、スペックと価格の費用対効果が下がりつつあり拡張性も低いと感じるようになったそうです。
そこで新たなサーバーリプレイスを考えるようになったといいます。「『さくらの専用サーバ』で運用していたOSはCentOS 6だったのですが、このOSが2020年11月30日でサポートが切れてしまうこともサーバーリプレイスを検討した理由の1つです」とグローバルコミュニケーションズの永吉康朗氏(代表取締役)は説明します。
ただし、ニコニコレンタカーのサーバーリプレイスは「さくらの専用サーバ PHY」ありきだったわけではありません。大手の他社クラウドサービスも候補として上がっており、クラウドに載せ換えた場合にはどのような構成になるのか、拡張性はどうなのか、コスト面ではどう変わってくるかといったことをグローバルコミュニケーションズでは調べていきました。「ニコニコレンタカーのWebサイトは1ヵ月あたりの予約数が15万~16万件とデータ転送量が膨大なWebサイトです、そのためにスペックが高めの物理サーバーを使っていました。『さくらの専用サーバ』のCPUコア数とメモリ数を単純にクラウドに当てはめてみると、コストが大きく跳ね上がったのです。そこでその大手クラウドは候補から外れました」(永吉氏)。
高機能化のほか、サポートの手厚さがリプレイスの決め手に
グローバルコミュニケーションズが「さくらの専用サーバ PHY」の採用を決めた最大の理由は「さくらの専用サーバ PHY」の高機能性でした。「長らく運用していた『さくらの専用サーバ』と比べてみると『さくらの専用サーバ PHY』は格段に機能が高まっていると思います。例えば、コントロールパネルで操作できることが多くなったり、ネットワーク構成の自由度が上がったりしたことが挙げられます。その他、ネットワークのスイッチや電源まわりが冗長化され、安定稼働につながるようになったり、さまざまなサーバー操作がAPIで行えるようになったりしています。これらが魅力に感じました」(永吉氏)。
サーバーリプレイス先に「さくらの専用サーバ PHY」を選定した理由のもう1つとして、さくらインターネットのサポートが手厚く運用しやすいところもありました。
サーバーに不具合が発生してさくらインターネットに対応を依頼すると「今はこういう状態なのでいつくらいまでにできそうです」など、状況を逐一報告してもらえるので、運用する側としても助かる部分がたくさんあるといいます。「サーバーのストレージに不具合が発生したときにはすぐに検知していただき、1時間もかからずにストレージを交換してもらいました。ダウンタイムがほとんど発生しない対応にはとても助かっています」と永吉氏は説明します。
ニコニコレンタカーにも適用できる新たなサービスのリリースに期待
ニコニコレンタカーのサーバーリプレイスは段階的に行っていく予定です。4段階に分けて移行しようと計画されており、最終的には2022年夏に移行が完了する予定です。「さくらインターネットは常に新しいことにチャレンジしている印象があります。この方針をこれからも続けていただき、ニコニコレンタカーにも適用できるような新たなサービスのリリースに期待をしています」(永吉氏)。
ニコニコレンタカーは、ガソリンスタンドの店舗数が1994年度の6万421店をピークに、2019年度には2万9,637店まで減っている現状に危機感を抱いているといいます。この変化に負けないよう、大手レンタカーチェーンとは異なる身近な「生活レンタカー」として、引き続き今後も安価に提供していくことを同社の今後の展望としているとのことでした。
本記事で紹介している「さくらの専用サーバ」は現在、新規お申し込み受付を終了しており、後継サービスとして「さくらの専用サーバPHY」を2020年7月28日より提供しています。
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- 株式会社レンタス
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- 事業内容
- ニコニコレンタカーのFC展開を通じて、地域密着型の「生活レンタカー」事業を展開
- 設立
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