- メーカー
株式会社創電
火災報知器と連動した無線通報端末「火守くん」を“IchigoSoda”で開発
- IoTサービス
2016年8月に発売された、移動式お留守番カメラ「ilbo」(イルボ、http://www.ilbo.jp/)は、外出先からスマートフォンなどで宅内確認や会話も行える典型的なIoTデバイスです。 そのIoTデバイスと操作端末とをつなぐ通信管理には、さくらのクラウドが使われています。クラウドの特性を生かし、コストを抑えながらユーザーの増加にも対応しています。
システムの構築・運用を手掛けている株式会社エクストランは、移動式お留守番カメラ「ilbo」を発売しました。ilboは、スマートフォンやタブレット上のアプリを操作端末として、無線LANを通して遠隔から操作できるIoTデバイスです。
ilboの外形寸法はW180×D180×H174mm、重量は880gです。ちょうど軽量ノートPCほどの重さのものが18㎝の立方体に収まった形状をしています。ilbo中央部には上下90度の範囲で稼働できる暗視機能付きカメラが搭載されており、自宅の映像を外出先のスマートフォン上に映し出すことができます。加えてスマートフォン上の操作によって、前進・後進・旋回などラジコン戦車のように走らせることができるので、カメラを対象物に近づけ、各部屋の状況やペットなどの室内を移動してしまう対象物の様子も確認できます。また、マイク、スピーカー、温度センサー、学習リモコン用IR LEDなどが搭載されており、外出先でアプリ画面のマイクボタンをタップしながらペットに話しかけたり、留守番中の幼児との会話、室内温度の確認などが行えます。
株式会社エクストランではこれまで、Sierとして各社のクラウドサービスを使っていました。しかし、さくらのクラウドを使うのは自社案件のilboが初めてです。「実は創業当初からかれこれ8年ぐらい、自社のホームページでさくらさんのレンタルサーバーサービスを使っています。弊社のシステム案件でも、主にコストにシビアな中小企業さんの案件でさくらさんのサービスを利用しています。さくらさんはエンタープライズ用途に強いイメージがなく、これまではどちらかというと共有のレンタルサーバーのイメージでした。クラウド案件ではたまたま使う機会がなく、今回初めて使ってみてイメージはかなり変わりましたね。エンタープライズでも使えると」(エクストラン 羽土氏)。
ilboはスマートフォンやタブレッドに映像を流す通信量の多いサービスです。「国内のトラフィックフリーのクラウドサービスを利用しようと考え、数社のサービスを評価しておりました。実は当初の試験段階では他社のクラウドサービスを使い出していましたが、その後さくらのクラウドを比較し、さくらのクラウドのコントロールパネルのGUIが使いやすかったことやサポートの対応が良かったことなども含め、トータルで判断して最終的にさくらのクラウドを選びました」(羽土氏)。
ilboの開発には石狩データセンターを使い、本番サービスは東京で稼働しています。「サービスの特性上、北海道から沖縄までユーザーさんが幅広く分散しますので、その中間点として東京を選びました。遅延があるとかなり映像に影響してしまうためです。東京と北海道間で遅延に問題ないことを確認し、東京にしておけば全国で問題ないだろうと決定しました」(羽土氏)。システム設計にあたっては各サーバーを冗長化構成とし機能ユニットで管理しています。「たとえばストリーミングサーバーが1台ダウンしたときに、そこにユーザーが振り分けられないようにするなど、障害テストも行っています。また、システムセットに5000ユーザーを収容できるようにし、その1/10のユーザーが同時接続してもまったく問題ないようにしてスタートしました。1ユーザー接続あたり約1Mbpsを利用しますので500Mbpsが必要として、500Mbpsのオプションを追加しています。」(羽土氏)。
ilboはペットを飼われている方からの引き合いが多いそうです。「発売時にはリモコン機能などが有効になっておりませんでしたが、ハードウェアは内蔵しておりますので、準備ができましたらアプリを通じてお知らせし、リモコン機能の有効化をソフトウェアのアップデートで対応していく予定です。これによって停電等でエアコンが切れしまったときにも対応できるようになります。そのほか、1週間程度は録画できる機能なども今後加えていく予定でいます」(羽土氏)。