導入事例

「さくらのクラウド」で支える防災DX──パシフィックコンサルタンツ株式会社が実現した安定稼働とコスト最適化の両立

パシフィックコンサルタンツ株式会社 様

1951年の創立以来、社会インフラ整備を支えてきた建設コンサルタント大手のパシフィックコンサルタンツ株式会社。近年同社では、土砂災害リスクを可視化する「どしゃブル」や、ハザード情報統合/リスク診断サービス「しらベル」など、デジタル技術を活用した防災DXソリューションの開発提供にも注力しています。これらのサービスを支える基盤として、さくらインターネットの「さくらのクラウド」が採用されています。 「さくらのクラウド」の導入経緯や効果、そして今後の展望について、デジタルサービス事業本部の五十嵐孝浩氏と石井美帆氏にお話を聞きました。

課題
「どしゃブル」立ち上げにともない、安定稼働するクラウド基盤の選定が必要だった
クラウド導入の知見が社内に少なく、環境構築や運用面でのサポート体制に不安があった
雨量に関する大容量データを安全かつ効率的に管理する仕組みを求めていた
効果
約10年間トラブルゼロ、北海道地震時もサーバーダウンせず安定稼働を実現
UIのわかりやすさと、営業・技術サポートのきめ細やかな対応により、開発効率と安心感が向上
さくらの専用サーバーとの併用でコストを抑えつつ大量データを柔軟に活用

社会インフラを支える大手建設コンサルタントが、防災DXにも注力 

パシフィックコンサルタンツ株式会社は、1951年の創立以来、70年以上にわたり建設コンサルタントとして、国内外の社会インフラ整備に関わってきました。延べ1,300人を超える技術士をはじめ、高い専門性を有したシビルエンジニア集団が、道路、港湾、河川、空港、トンネル、橋、上下水道など、幅広い分野で社会課題の解決に向けたプロジェクトを推進しています。 

近年では、DXソリューションの開発・提供にも注力。社会インフラサービス企業として、持続可能な社会の発展に貢献しています。こうしたDXソリューションのなかでも、「さくらのクラウド」を活用しているのが「どしゃブル」と「しらベル」です。 

どしゃブル

どしゃブル」は、土砂災害のリスクをリアルタイムに可視化できる防災対応支援サービスです。気象データや地形情報を基に土砂災害の危険度を自動算出。地図上に危険エリアを色分けして表示したり、地域、拠点毎の一覧を表示、さらに閾値を超過するとメールなどで通知します。自治体や企業の防災担当者が避難判断や初動対応、事業継続計画(BCP)に役立てることができます。 

しらベル

一方、「しらベル」は、洪水・地震・津波などのハザード情報を横断的に検索・分析できるリスク診断サービス。自社施設や拠点の位置情報を入力するだけで、複数の自然災害リスクを自動で判定、結果はレポート形式で出力されます。BCP策定・見直しの効率化、不動産評価や土地利用計画、自治体の防災マップ更新、住民向けの防災啓発資料作成などで活用されています。 

これらのサービスに加え、鉄道事業者向けの監視サービスでも「さくらのクラウドを利用している」と五十嵐氏は以下のように話します。 

「関東の私鉄会社さんに導入してもらっています。河川を横断する鉄橋を電車が通過するので、安全確保のために使用されています。カメラ映像と水位計を連携させており、水位上昇などの異常が検知された際には、メールで通知が送られる仕組みになっています。また、スマートフォンやパソコンで橋の状態をリアルタイムで確認できるため、経営層の方からとくに評価していただいております」(五十嵐氏) 

「価格がわかりやすく、使いやすい」さくらのクラウドを採用。 予算の見通しも立てやすかった 

「さくらのクラウド」を導入したのは、約10年前。どしゃブルのリリース時にクラウド基盤の検討を開始しました。ただ、当時同社ではクラウドを契約・運用する事例が少なく、受託案件では顧客環境を利用するケースが一般的でした。そこで、開発担当の社内チームがパートナー企業とともに複数の国内クラウド事業者の比較検討をおこない、最終的に「さくらのクラウド」を採用したといいます。 

導入の決め手について、五十嵐氏は以下のように話します。 

「当時はいまのように外資系クラウドがあまり流行していなかったので、国内クラウド事業者に絞って検討しました。そのなかでもさくらのクラウドは、料金設定のわかりやすさやコントロールパネルの使いやすさなど、UI/UXの面で、一番優れていると感じました。とくに、今後どしゃブルが拡張することを考えると、予算が立てやすいというのは評価ポイントの1つでしたね」(五十嵐氏) 

10年稼働でトラブルはほぼゼロ。専用サーバー連携と柔軟な対応でコスト最適化も実現 

どしゃブルの立ち上げから約10年、同社では長期にわたり「さくらのクラウド」を利用していますが、これまで大きなトラブルはほとんどなかったと五十嵐氏は振り返ります。 

「異常通知のメールが届いたのは、10年間で1、2回程度です。2018年9月の北海道胆振東部地震で、道内全域が約60時間にわたり停電した際も、石狩データセンターはサーバーダウンしませんでした。この出来事をきっかけに、さくらインターネットへの安心感はさらに高まりました」(五十嵐氏) 

また、同社では(一財)河川情報センターから購入している雨量データについて、従来はビル内にサーバーを設置し、オンプレミス環境で受信していました。ただ、ビルの法定停電の日などはサービスが停止してしまうなどの課題があったといいます。その後、クラウド化したことで、無停止でサービスを継続できるようになりました。現在は、河川情報センターから閉域網回線を通して、いったんさくらインターネットの都内某所にあるデータセンターのルーターを介して、ブリッジ接続でさくらのクラウドにつなげています。 

しかし、膨大な雨量データを保管するには、クラウド上では制限があり、コストも上がってしまいます。そこで、「費用を抑える工夫もしている」と五十嵐氏はいいます。 

「河川情報センターから受信している雨量データの蓄積容量がかなり大きいので、このままクラウド上で利用してしまうと、費用が膨大になってしまいます。そこで、さくらの専用サーバーを借り、そこにデータを蓄積。物理と仮想環境をローカルでつなげることで、必要に応じてデータをさくらのクラウド上で活用できるようにしてもらいました。当時、自社でクラウドを運営するノウハウがあまりなかったので、このような技術的な相談に柔軟に対応してもらって非常に助かりました。こうした手厚いサポートも、さくらインターネットの魅力の1つですね」(五十嵐氏) 

また、五十嵐氏はDBアプライアンス機能も気に入っていると話します。これは、コントロールパネルから簡単な操作だけで、さくらのクラウド上にRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)を迅速に構築できるアプライアンスです。 

「DBアプライアンスは、同レベルのクラウドサーバーを自前で構築しようとするとかなりコストがかかりますが、非常にリーズナブルに利用できます。初期設定が不要ですぐに使えますし、自動バックアップ機能なども備わっているので安心感があります。設定もシンプルで、既存システムとの親和性が高いのも気に入っているポイントです。 

一方で、今後強化を希望する点としては、PostgreSQLの拡張機能(エクステンション)をもう少し充実させてほしいこと、pgAdmin4が利用できるとより便利になることですね。また、スペックのバリエーションや大容量ストレージの選択肢が増えれば、さらに柔軟な活用ができると思います」(五十嵐氏)

防災DXをさらに推進。課金システムの導入など、 使いやすい次世代サービスの拡充へ  

今後、パシフィックコンサルタンツ株式会社では、建設コンサルタントとしての知見を生かしながら、デジタルサービス事業をさらに強化していく方針です。五十嵐氏は「どしゃブルでは15時間先までの降雨データを扱えるようにするなど、より広範な情報提供をおこなっていきたい」と語ります。 

さらに、デジタルサービス全体の新たな取り組みとして「課金システム」も採用予定。法人向けのプロ版の利用にあたっては、これまで営業担当が訪問して契約を交わす必要がありましたが、それもオンライン上で完結できるようにしていく方針です。より多くのユーザーが気軽に試用・導入できる仕組みを目指しています。 

「たとえば、しらベルの診断レポートのみを1回500円でダウンロードできる仕組みを導入したり、BCP(事業継続計画)の観点から、自治体や企業が自社拠点のハザード情報だけを閲覧できるスポット利用や、1か月単位で利用できるプランなど、柔軟な料金プランの導入を検討しています。これまで以上に幅広いお客さまに使っていただきたいと考えています」(五十嵐氏) 

インフラ環境に関しては、今後も「さくらのクラウド」を利用し続ける予定です。

「ガバメントクラウドの指定要件を満たしていることもあり、さくらのクラウドに対して大きな安心感があります。国交省案件が多い当社にとって、国内企業による信頼性の高いクラウド運用は非常に重要です」(五十嵐氏)。 

最後に、今後のさくらインターネットへの期待について次のように語ってくれました。 

「今のように相談しやすく、親身にサポートしてくれる体制を維持してほしいですね。実際に、さくらインターネットの営業担当の方の丁寧なフォローに何度も助けられました。そうした“日本的なきめ細かさ”こそ、国産のさくらインターネットの最大の魅力だと思います」(五十嵐氏) 

※掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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パシフィックコンサルタンツ株式会社
事業内容
総合建設コンサルタント
設立
1951年9月4日(1954年に日本法人として設立)

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