集英社がデジタル化に注力:「HAPPY PLUS」にImageFlux導入で次世代画像形式による配信を実現!
株式会社集英社
- 画像変換・配信エンジン(ImageFlux)



スマートフォンアプリ(以下、スマホアプリ)を軸に、デジタルにかかわるさまざまな支援を行う「デジタルパートナー事業」を展開するフラー株式会社。スマートフォンならではのユーザー体験に寄り添う開発を強みとし、アウトドアブランドや自治体イベント、全国チェーン店などさまざまな業種のアプリ開発を手掛けています。 スマホアプリ特有の課題解決に、さくらインターネットの「ImageFlux」がどう役立ったのか。同社のCTO、伊津惇さんにお話を聞きました。

フラーは「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」をミッションに掲げ、フラーが持ちうる全てのプロフェッショナル領域でアプリやウェブなどデジタルにかかわる支援をおこなう「デジタルパートナー事業」を展開しています。
そのなかで多く寄せられるのは、「既存のパソコン用サイトのスマホアプリ版をリリースしたい」というご相談です。
たとえば、スノーピークさまのアプリ開発。パソコン版のECサイトと連動するショッピングアプリを構築するものだったのですが、アウトドアギアを写真で魅力的に見せるサイトデザインのため、高解像度かつ大容量の画像が大量にありました。そのままアプリに読み込むと処理が重くなり、通信料もかさんでしまいます。写真の美しさが重要視されるECサイトだけに、画像配信まわりの設計は大きな課題でした。
ファンの行動を分析するなかで、アウトドアブランド特有の課題も判明しました。それは、ユーザーの多くがアウトドアシーン、つまりキャンプや登山の際にアプリを使うという事実です。「あの人の使っているギアはいいな」と商品を検索したり、ソロキャンプでくつろいでいる最中に「あれも欲しかったな」とECサイトを眺めたりすることが行動分析から見えてきたのです。
自然豊かなキャンプ場のような広大なアウトドアフィールドの通信環境は、大抵は決して良好ではありません。そのような環境下で画像の読み込みが重い、表示が遅いといった現象が起きると、ユーザー体験が大きく損なわれてしまいます。
軽く、かつ美しく。ブランドの世界観を保ったまま、快適な閲覧ができるアプリを開発する必要がありました。
劣悪な通信環境でのアクセス集中、という点で、もう一つ大きな課題になっていたアプリがありました。新潟県長岡市の「長岡花火公式アプリ」です。花火大会の当日は会場に数十万人が密集するため通信環境が悪化し、ほとんどつながらないような状態になってしまいます。
フラーが公式アプリを開発し、2017年にリリースしましたが、初年度は画像がほとんど表示されず、アプリ本来の価値を十分に提供しきれませんでした。お客さまからの評価もかなり厳しく、大幅な改善が必要になっていました。
「通信環境が良好ではない状況でも、美しい画像を、軽快に表示させたい」そのために、デバイスに合わせた画像を調達する……アプリ用に手作業で画像をリサイズするといったことも検討しました。しかし、運用コストがかかりすぎ、現実的ではありません。そこで、外部の画像加工サービスを検討することにしました。
国内外の複数のサービスを比較検討するなかで、「これならスムーズに導入できそうだ」と感じたのがさくらインターネットの「ImageFlux」でした。
日本企業が提供しており、ドキュメントが日本語で整備されている安心感が大きく、「とりあえず使ってみて、もし合わなかったら別のサービスに乗り換えればいい」と思えるくらい、導入のハードルが低かったのが決め手です。試しに使ってみたところ、とても簡単に導入できることがわかり、求めていた効果を得られたため、そのまま本契約をしました。
ImageFlux導入でもっとも大きな効果があったのが、長岡花火公式アプリでした。自動リサイズで画像を動的に最適化し、それと合わせてタイムテーブルなど一部のコンテンツをオフライン対応しました。

その結果、2018年からは評価が一気に上がりました。初年度の厳しい評価が一転し、「現地でもストレスなく使えた」など、ユーザーから嬉しい声をいただきました。
また、花火が始まるまでの待ち時間に読むための記事コンテンツなども提供していたのですが、それらは外部コンテンツを引用するため、元データの画像の重さを管理できません。そのような場合もImageFluxが表示画像を最適化してくれるため、現地でも問題なく表示できていたようです。
Snow Peak公式アプリでは、リリース当初からImageFluxを導入しました。開発フェーズでも「パラメータを変えながら最適な画像サイズを試す」といった作業が手元で気軽にでき、効率よく開発ができました。サポートも日本語対応のため、気軽に質問でき、迅速に回答がもらえます。このサポート体制には本当に助けられています。
Snow Peakには、年に2回開催される大規模セールがあります。セール期間中はパソコン版サイトにもスマホアプリにもアクセスが殺到しますが、ImageFluxの高いキャッシュヒット率のおかげで、サーバーコストを抑えながら安定した画像配信が実現できました。
次に手掛けたハードオフさまのアプリ開発でもImageFluxを採用しました。画像まわりの処理をImageFluxに任せることで、開発リソースをほかの機能改善に集中させることができました。
たとえば、ハードオフさまで取り扱っているリユース品は在庫状況が激しく変化します。その際、新しく追加された商品には「新着」などのバッジを付け、ユーザーへ強く訴求したくなります。このようなオーバーレイ表示をさせたい場合、通常はiOSとAndroidでそれぞれロジックを組む必要がありました。しかしImageFluxなら、サーバー側で一元的に処理できます。開発がとても楽になったな、と感じています。
アプリ開発関連のサービスは、今後もフラーの主力事業であり続けます。そのなかで、引き続きImageFluxを使っていきたいと思っています。
既存のWebサイトの資産を活かしながら、動的に最適な形でアプリに展開できるのが、ImageFluxのとても便利な点です。私たちのように、クライアントワークでアプリを開発している会社であれば、有効活用できると思います。
また、小売業などで、商品画像にセールや新着のバッジを手作業で貼り付けているような会社さまも多いと思いますが、オーバーレイ機能を使えばこうした作業のコストを大きく削減できます。試しに使ってみて、合わなければすぐにやめられる気軽さがあるので、「とりあえず触ってみる」から始めてもいいのではないでしょうか。
個人的には、動画の活用にもチャレンジしたいですね。ImageFluxでは、ImageFlux Live Streamingというライブ配信エンジンも提供されているので、映像をリアルタイム配信するといった活用法も実現できそうです。
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