建材流通業界で異例の120%売上アップ!顧客用サーバーの設定も簡単操作で工数削減
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スタンダードフォース株式会社
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株式会社オートマイズ・ラボは、福岡県福岡市に本社を置く2020年4月に設立された、ものづくり企業です。主に「後付け自動化」を軸に、既存の設備や機器を自動化する制御機器を開発・提供しており、安心・安全の確保や省人化、業務効率化、DX推進に貢献しています。 同社では、手動水門の開閉を自動化・遠隔制御化する、自社開発の後付け自動化機器「水門ボット®」を「さくらのクラウド」と「さくらのセキュアモバイルコネクト」を活用して実現。設置した遠隔地にある設備や機器の操作を安全かつ効率的に運用することを実現しました。今後は、国・地方自治体を中心に導入が進んでいる「水門ボット®」における「さくらのクラウド」とのさらなる連携を期待しています。
既存の設備・機器を後付け自動化することにより、社会に貢献する会社として設立された株式会社オートマイズ・ラボでは、既設の手動バルブを手軽に後付け自動化する「バルブオートマイザー®」や、河川や農業水路の手動水門を後付け自動化する「水門ボット®」と呼ばれる機器を開発・販売しています。既存設備を廃棄せずに自動化できるという特長から、多くの自治体や企業様に採用されています。
世の中に存在する設備・機器の多くは、依然として人の手によるマニュアル操作に依存しています。設備・機器の自動化を進めるには既存設備を廃棄し、新たに自動化対応の設備・機器を導入する必要がありますが、この方法では導入コストや納期および設置時期の課題が大きな障壁となっていました。
こうした背景を踏まえ、同社では「バルブオートマイザー®」や「水門ボット®」といった後付け自動化ソリューションを開発することにより、既存の設備を活かしながら効率的かつ現実的に自動化を進められるようになりました。
「水門ボット®」は、河川や農業用水路に既設されている手動水門を、後付けで自動化・遠隔操作化できるソリューションです。従来の自動水門は、既存設備を撤去し新たな装置に取り替える必要があり、コストや作業の手間がかかるといった問題がありました。
「ハンドルなど既存の設備はそのままに自動化、遠隔操作化できるのが『水門ボット®』の特長です。水位計や流量計などのセンサー関係との連携で、水門を自動的に開閉するといった お客様のニーズや用途に合わせた対応も可能です」。(山口氏)
2022年からスタートした「水門ボット®」の実証実験では1対1のインターネット通信で水門の自動化、遠隔操作化の実証実験を行いました。しかし、実際の運用現場では、1つの自治体が複数の水門を同時に管理・制御するケースが多く、運用の効率性などに課題が生じていました。加えて、河川や水路は複数の自治体にまたがって流れることが多く、インターネット通信による管理には情報セキュリティの懸念も指摘されていました。 そこで注目したのは、ガバメントクラウド※にも認定されているさくらインターネットの「さくらのクラウド」です。
※2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付きの認定
「水門は、河川や水路を洪水などの自然災害から地域を守る大事な施設です。このような施設に対してはセキュリティの重要性が求められてきますが、『さくらのクラウド』なら閉域網の中で運用されており、セキュリティが担保されています。その点は差別化要因になると考え、『水門ボット®』にさくらインターネットを採用しました」。(山口氏)
クラウドの導入により、自治体は複数の水門を一括で安全に遠隔管理できる体制を構築。今後の広域展開に向けた基盤づくりとしても、大きな意義を持っています。
また「さくらのクラウド」の導入により、水門の遠隔操作における通信ログの記録・管理が可能になったといいます。通信ログが残らないと、万が一、不測の事態が生じたときに、現地に赴いて水門を見るしかありませんでした。しかし、水門の管理者がスマートフォンをコントローラーとして遠隔で操作するときに、操作履歴や通信状況をログとして残せるようになったことにより、ログを分析することで不具合の原因や対処方法を究明できるようになったのです。運用の効率化と省力化の観点からもクラウドサービスは大きく寄与しています。
また、スマートフォンに利用するSIMについては当初、単一の大手キャリアのものを考えていたのですが、水門がある場所にはSIMの通信環境が不安定なところもありました。そこで国内複数キャリアに 接続できるうえ、月額13円※で通信コストを削減でき、閉域網ネットワークでセキュリティ面においても安心できる という観点から、さくらインターネットのIoT SIM「さくらのセキュアモバイルコネクト」を導入することを決めました。
※1回線のSIM基本利用料(通信が無い月は0円)

管理画面で、SIMやサーバーの接続先変更ができ、ログイン時に操作ログが記録に残る機能は同社が特に気に入っているメリットだといいます。「複数の自治体の水門を接続する仕組みは、事前にデモ環境で試すことができました。また、「水門ボット®」でセキュアな通信が可能になったことは、システム運用面説明の際にお客様の安心材料になった点もプラスになっています」。(山口氏)
今後、さくらインターネットに求めるのは、SIMなしでのセキュアな通信環境を構築できるようになることです。「今はSIMが必要となるセキュアモバイルコネクトでインターネットの閉域網に接続していますが、SIMに依存しないサービスがあれば便利だと考えています。SIMなしによるセキュアな通信環境が構築できればキャリアに左右されないネットワーク環境が構築でき、スマートフォンのコントローラーもクラウドサービスと一体となってシステムを構築できるようになると思います」。(山口氏)
「水門ボット®」は現在、国や地方自治体を中心に導入が進んできており、今後はセキュアな環境における遠隔での水門操作だけでなく、機器自ら情報を収集し判断・行動する自律制御の進化も期待されています。
「後付けタイプの自動化機器は、自律制御を含んだ複数機器との連携などによって、より大規模で高度な制御を行うシステムとなっていく可能性が十分にあると考えています。そういった複雑なシステム構築については『さくらのクラウド』などをはじめ、さくらインターネットの各種サービスとの連携にも期待しています」。(山口氏)
株式会社オートマイズ・ラボ
常務執行役員
山口 高樹 氏
「水門ボット®のような仕組みを自治体の予算で通すためには、議会を通す必要があります。そのためには、さくらインターネットのような、国内の自治体向けにサービス提供している国産クラウドサービスは一つの安心材料としてインパクトが大きいと思っています」

株式会社オートマイズ・ラボ
宮園 昌孝 氏
「水門ボット®はシステムをセキュアな環境にのせて動かしていますので、DXの開発部門が対象になると考えています」

※掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
