導入事例

スマホアプリを「さくらのクラウド」でリリース。クラウド構築と高度なセキュリティ対策の要望に地元ベンダーが応える

株式会社プラネット 様

「魅力ある豊かな歯科医院」のため、医院経営やマネジメント、コミュニケーションを支援するオリジナルサービスを提供している株式会社プラネット。東濃地区活性化事業「東濃見聞録」の運営や、美濃焼の産地を舞台としたフリーコミック「やくならマグカップも」の発刊など、岐阜県多治見市やその周辺地域に貢献する事業も展開しています。今回、同社はスマホアプリ「Dental E」のリリースを機に「さくらのクラウド」を採用。その背景と効果などについて開発の奥村 英介氏、同じく開発の石井 健司氏、および「さくらのクラウド」の構築を担当したテックプレッソ株式会社 代表取締役CTO 坂之上 達成氏にお話を伺いました。

課題
クラウド基盤でスマホアプリを提供するための知見・リソースがない
クラウド利用の試算はかなり高額だった
医療情報を扱うため、セキュリティ対策を懸念
効果
地元ベンダーのテックプレッソにクラウド構築を任せ、サービスの安定稼働を実現
想定内のコストで利用できる「さくらのクラウド」
調査会社のチェックを受け、高度なセキュリティ対策を施す

歯科医院をサポートするシステム開発とサービスを提供 

プラネット 奥村氏:歯科医院向けのシステム開発に携わって約30年になります。口腔内の状態をイラスト化し、患者さんに歯の状態を分かりやすく説明する当社の主力製品「Dental X(デンタル テン)」をリリースしたのは2003年。現在、「Dental X」は「Dental XR(デンタル テンアール)」へと進化し、診断書や説明資料、治療計画などの作成・提示・印刷も可能なツールとして支持され、全国の約6,600以上の歯科医院に導入いただいています。 

「Dental XR」は周辺ツールも充実しています。手書きカルテそのままの画面構成を実現したレセプトカルテ「iQalte(アイカルテ)」は、カルテ作成や領収書・処方箋発行、レセプトビューなどが可能。予約管理の「Dental Hub(デンタルハブ)」は、あらゆる患者データ管理のハブ(中心)となって、すべてをシームレスにつなぐことができます。

株式会社プラネット
開発
奥村 英介 氏

プラネット 石井氏:これら「Dental XR」を中心とした歯科業務は、iPadを使用して管理・運用できるのが大きな特徴です。患者さんの口腔内を説明する「Dental XR」のコミュニケーションもiPadで行うことができます。 

スマホアプリを開発・提供するうえでクラウド環境が必要に 

プラネット 奥村氏:口腔内の健康管理・予防のサイクルを実現するスマホアプリ「Dental E(デンタル イー」)の開発が「さくらのクラウド」を利用するきっかけです。従来、口腔内の健康管理・予防のために「Dental XR」の口腔内イラストを印刷して患者さんにお渡ししていました。紙媒体は手元に残るという意味では良いのですが、保管し続ける手間を患者さんに強いることは難しく、最終的には紛失してしまうか、いつの間にか処分という状況が珍しくありませんでした。 

そこで当社が開発に乗り出したのが「Dental E」です。紙媒体ではなく、スマートフォンにデータとして保管・管理するようにすれば、紛失も処分もなくなります。さらに歯科医院の要望を取り入れ、「Dental E」に次回予約の確認・自動チェックインなどが可能なデジタル診察券の機能、家族全員分のデータを管理できる機能を追加。歯科医院と患者さんとのコミュニケーションツールとなるようにしました。 

株式会社プラネット
開発
石井 健司 氏

プラネット 石井氏:アプリとして患者さんに利用していただくわけですから、データのやり取りはインターネット経由となります。そして、そのやり取りの基盤にはクラウドが必須。しかし、当社にはクラウドの知見がまったくありません。そもそも「Dental XR」は医院内にサーバーを設置し、そこにiPadがアクセスするオンプレミスの仕組みだったため、我々にクラウドの知見が貯まるフローがありませんでした。 

さくらインターネットの丁寧な対応と地元ベンダーとの出会いで「さくらのクラウド」の利用を決める

プラネット 奥村氏:とにかく、クラウドに関しては右も左も分からない状況。しかも、非常にコストがかかる試算でしたから、「Dental E」のリリースに大きな不安を抱いていました。20年以上前から「さくらのレンタルサーバ」で顧客管理システムを構築していたのもあって、とりあえず2022年2月に恐る恐るさくらインターネットさんに問い合わせてみることにした次第です。その後、「さくらのクラウド」の利用に至ったわけですが、その理由は以下の3つとなります。

(1)ユーザーに寄り添う親身な対応

プラネット 奥村氏:ネットだけですべて完結してしまう時代ですが、さくらインターネットさんは対話による親身な受け答えが印象的でした。我々の話を真剣に聞いていただいたうえでの適切な提案やアドバイスは、本当に勉強になりました。大袈裟かもしれませんが、「こんなに有り難い企業が日本にあったのか」というのが率直な感想です。

(2)想定内のコストで「Dental E」をリリースできる

プラネット 奥村氏:コストが心配でしたが、さくらインターネットさんの指摘で試算に計算ミスがあったことが判明。しかも「さくらのクラウド」を利用すれば、想定内のコストで「Dental E」をリリースできることが分かりました。

(3)地元のベンダーを紹介

プラネット 奥村氏:すべてネットで構築できるとはいえ、クラウドの知見がない当社にとってハードルが高いことに変わりはありません。それをさくらインターネットさんに理解してもらい、当社の近くで構築に携わってくれる岐阜県のベンダー、テックプレッソ株式会社(以下、テックプレッソ)さんを紹介していただきました。実際にテックプレッソさんとお話をさせていただいたところ、さくらインターネットさんと同様の親身な対応に好感を持ちました。「これならお任せできる」と思い、テックプレッソさんにクラウドの構築を依頼させていただきました。

両社が密に連携し、セキュリティ対策を施した理想のクラウド環境を構築

テックプレッソ 坂之上氏:クラウド構築は当社の得意分野のひとつです。さくらインターネットさんからプラネットさんをご紹介いただき、クラウド構築の企画・設計の部分から携われるのは大変光栄だと感じました。プラネットさんからはクラウドについて右も左も分からないと伺っていましたが、それでも利用するクラウドはプラネットさん自身に選択してほしいと思い、「さくらのクラウド」利用を前提としつつ、他クラウドベンダーのメリット・デメリットもしっかりお話させていただきました。

テックプレッソ株式会社
代表取締役CTO
坂之上 達成 氏

プラネット 奥村氏:テックプレッソさんの誠実な対応には感謝しています。当社としても他クラウドベンダーのサービスを理解し、そのうえで「さくらのクラウド」を選定させていただきました。選定後、クラウドを構築するうえで当社からお願いしたのは、セキュリティ対策の部分です。患者さんの個人情報を扱う形になりますから、高度なセキュリティ対策をお願いしました。

テックプレッソ 坂之上氏:クラウドのサーバー構成、機微なデータの扱い、セキュリティ対策を主軸に、さまざまな角度からプラネットさんと密にミーティングをさせていただきました。最初からコストをかけ過ぎるのはリスクがあるため、可用性や冗長性を担保しつつ、スモールスタート後に徐々に拡張していく方針で合意。構築は当社にお任せいただき、最後にセキュリティ対策の部分をセキュリティ調査会社にチェックしていただくフローにしました。プラネットさんはアプリ開発で大変だったと思いますが、すべてプラネットさんと合意形成を図って進めることができましたから、非常にスムーズに構築できたと考えています。

具体的な構成は図の通りです。クラウドの構成はセキュリティ対策で設置したクライアント証明書認証用のWAF (Web Application Firewall) を通過し、テスト系と本番環境系のサーバーにアクセスする仕組み。本番環境系はロードバランサーで振り分けを行い、現在はユーザー数を鑑みながらスケールアップしている状況です。

「さくらのクラウド」の安定稼働により、アプリ開発に注力できる

プラネット 石井氏:2023年5月に「Dental E」をリリースして以降、おかげさまで順調に利用者数が伸びています。「Dental E」の利用者は患者さんですから、多くの患者さんにダウンロードしていただかなければ普及しません。患者さんからの良いフィードバックが歯科医院に届き、それが口コミで他の歯科医院にも波及しているように感じています。

プラネット 奥村氏:「さくらのクラウド」の導入効果という点では、大きなトラブルがないことにつきます。テックプレッソさんと密にコミュニケーションを取り、プログラムに合わせた微調整を行っていただいていることもあるかとは思いますが、本当に安定稼働しています。これにより、我々は「Dental E」の使い勝手向上、機能改善、機能追加といったブラッシュアップに注力できています。

なお、テックプレッソさんには隔週で定例会を開催してもらっていますが、それとは別に最近はサーバーやクラウドに関する勉強会も開催してもらっています。サーバーやクラウドについてはまだまだ知識不足が否めませんから、テックプレッソさんの知見や経験を少しでも分けていただければと考え、お願いしている次第です。勉強会を快く引き受けてくださっているテックプレッソさんには感謝しかありません。

クラウドサービスを考えている企業にお勧めしたいさくらインターネット

プラネット 奥村氏:今回、さくらインターネットさんにさまざまな提案をいただけたこと、テックプレッソさんをご紹介いただけたことは、当社にとっては何より有り難かったと実感しています。クラウドでサービスを提供したいと考えていらっしゃる企業の方はぜひ、さくらインターネットさんへの相談をお勧めします。

今後の展開としては、「Dental XR」のクラウド化を推進する必要があると思っています。昨今の自然災害の脅威を鑑みると、BCP(business continuity planning:事業継続計画)の観点からクラウド化は必須。まずは「Dental XR」のバックアップをクラウドで行う方法を模索するところから着手したいと考えています。もちろんその際は、「さくらのクラウド」「さくらのVPS」の活用が前提となります。引き続き、テックプレッソさんの協力を得ながらクラウド環境をつくり上げていくつもりです。今後ともよろしくお願いいたします。

テックプレッソ 坂之上氏:これからもご一緒させていただけると大変嬉しいですね。こちらこそ、引き続きよろしくお願いいたします。

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株式会社プラネット
事業内容
事業内容:歯科用システム「Dental X[R]」企画・開発・販売、口腔健康管理スマホアプリ「Dental E」の企画・開発・運用、「iQalte」「Dental Hub」企画・開発・販売、プラネットパートナーズクラブの企画・運営、ホームページ「QaLuTa(クァルタ)」企画・運営、月刊歯科経営Webマガジン「Ghoix(ジョイス)」企画・運営・販売、CFアプリ企画・開発、東濃地区活性化事業「東濃見聞録」運営、「やくならマグカップも」企画
設立
1995年6月19日

パートナー企業

テックプレッソ株式会社
事業内容
インターネットサーバー構築・運用、レンタルサーバー提供、IT導入・活用コンサルティング、Webサービス開発

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