導入事例

獣害など農山漁村の困りごとをIoTで解決するため、 「さくらのクラウド」「さくらのVPS」をフル活用 

株式会社アイエスイー 様

1985年の創業以来、電子機器の設計・開発メーカーとしてものづくりに携わってきた株式会社アイエスイーは、農山漁村における獣害を少しでも食い止めるため、これまで培ってきた技術を活かして2011年から獣害IoTの分野に進出。2014年以降は「さくらのクラウド」「さくらのVPS」を利用することで、本格的なIoTソリューションを展開しています。今回、株式会社アイエスイー 代表取締役 高橋 完氏に「さくらのクラウド」「さくらのVPS」を利用するようになった背景・課題、そして導入効果などを伺いました。

課題
サーバーにアクセスが集中した際に遅延が発生
容易にはスケールアップできないオンプレミス環境
課金の仕組みが分かりにくいクラウドは選べない
効果
停止や遅延のない安定稼働のクラウド
利用者の増加に合わせて「さくらのVPS」を増強
安価にIoTソリューションを提供できる

農山漁村にICT・IoTを活用したソリューションを提供 

全国的に拡大する獣の農林産物被害獣害を少しでも食い止めるため、2011年にICTを活用してイノシシ・シカ・サルなどを捕獲するシステム「アニマルセンサー」の開発・販売を始めた株式会社アイエスイー。以降、ICTにIoTを加えて獣害IoTの技術を確立し、現在は漁業・養殖業の課題解決に貢献する海洋IoT、森林事故の早期発見や迅速な救助をサポートする林業IoT、地域の課題解決を目指す地域IoTなど、幅広い分野のIoTソリューションを全国展開しています。 

「当社のIoTソリューションのほとんどは、農林水産省の研究開発プロジェクトによる研究開発コンソーシアム(株式会社アイエスイー・自治体・教育機関など)がベースとなって取り組んでいるのが大きな特徴です。自社実証フィールドなどを活用し、複数年にわたる現地実証とトライアンドエラーを重ねることで、現場のニーズに合ったシステムをつくり上げています」と高橋 完氏(同社 代表取締役)は語ります。 

遅延が課題のオンプレミスからクラウドへの移行を検討 

同社がクラウドを活用するようになったのは、「まる三重ホカクン」の開発・販売を始めた2014年からとなります。檻のライブ映像や動物が檻に侵入したことを知らせるセンサーの通知など、当時の「まる三重ホカクン」は現場付近に設置したオンプレミスのサーバーを経由して配信するシステムを採用していました。 

「『まる三重ホカクン』は自治体などから高い評価をもらい、多くの現場に導入していただきました。しかし、サーバーにアクセスする人数が増えると操作やカメラ映像に遅延が発生するということで、クレームをいただくようになりました。この課題を解決するにはサーバーのスペックや回線など、あらゆるシステム構成をアップグレードしなければならないため、時間とコストがかかります。オンプレミスに限界を感じるようになり、クラウドを活用したIoTへのシフトを検討することになりました」と高橋氏は当時の状況を語りました。 

採用の決め手は明瞭なコストと日本のクラウドという安心感 

同社はさまざまなクラウドを比較・検討した結果、「さくらのクラウド」を採用することしました。「自治体などから評価をいただいているとはいえ、利用者である農山漁村の方々にIoTソリューションを理解してもらうのは容易ではありません。そのうえ、高額なサービスになってしまうと利用する前から拒否される可能性があります。ですから、基盤となるクラウドは安価というのは重要な要素でした。2014年当時、外資系のクラウドベンダーの場合は、課金の仕組みとして毎月かかるコストが見えにくい印象がありました。その点、『さくらのクラウド』はコストが明瞭でした。しかも、安価だったため、採用することに迷いはありませんでした」(高橋氏)。さらに高橋氏はマニュアルの分かりやすさ、運用のしやすさなども選定理由に挙げています。 

現在の利用状況は、「まる三重ホカクン」の最新版「ロボットまるみえホカクン」にて「さくらのクラウド」を活用。ストレージの増強や、その他すべてのIoTソリューションにて「さくらのVPS」も運用しています。 

アクセスが集中しても安定稼働を続ける「さくらのクラウド」 

全国400カ所以上で稼働している「まるみえホカクン」シリーズは、「さくらのクラウド」のおかげで常に安定稼働しており、信頼できるクラウドだと実感していると語る高橋氏。また、同社のIoTソリューションは利用者からも高い評価を受けています。 

「海洋IoTの『うみログ』は、30分間隔で自動収集した海象データを『さくらのVPS』がキャッチし、その海象データをユーザーである漁業関係者などがモニタリング。全国100カ所以上で稼働しているにもかかわらず、停止も遅延も発生していません。漁業関係者全員がITに詳しいとは限りませんので、停止や遅延が発生すると継続的な利用を促すのが難しくなる可能性があります。その点、『さくらのVPS』は本当に安定しており、安心しています」と高橋氏は笑顔で語りました。 

さくらインターネットの堅牢なクラウドは自治体に提案しやすい

自治体との取引が多い同社にとって「さくらのクラウド」や「さくらのVPS」は提案しやすいとのこと。とくに堅牢なセキュリティと安定したコストは、自治体に提案するうえで大きな要素となっているようです。 

「公的な立場もあって、自治体はセキュリティ対策をサーバーの評価基準の中心に据える傾向にあります。その点においては、さくらインターネットは安心です。2018年9月6日、最大震度7の地震が襲い、道内全域にわたって停電が発生した北海道胆振東部地震のときでも、さくらインターネットの石狩データセンターは停止しませんでした。また『さくらのクラウド』は、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度ISMAP(Information system Security Management and Assessment Program)のリストに登録されていますから、さらに安心です。昨今は円高の影響もあってクラウドベンダーの値上げが頻繁に行われているようですが日本のクラウドベンダーであるさくらインターネットは、その心配は少ないと感じます。実際、頻繁な値上げはありませんから、当社も安価なソリューションを提供し続けることができています」(高橋氏)。 

同社の願いは農山漁村の方々に喜んでもらえるIoTソリューションを提供し、地域および社会に貢献することです。その前提として、基盤となるクラウドが安定稼働していればIoTソリューションを継続的に提供できると考えています。農山漁村の発展につなげるため、これからも同社は安定稼働し続けるさくらインターネットのクラウドを利用していきたいとしています。 

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株式会社アイエスイー
事業内容
獣害IoT、海洋IoT、林業IoT、地域IoTの企画・開発・販売
設立
1991年

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