- 公的機関・その他
学校法人日通学園 流通経済大学
業務パッケージをSINET経由で、クラウド化。接続に「さくらのクラウド」を採用
- クラウドサービス(IaaS)
スタンダードフォース株式会社は木材建材流通の管理システム「Stance」を提供するITベンダーです。「Stance」はもともと自社内の業務システムでしたが、取引先から自社でも使いたいという声を受けて製品化し販売することとなりました。外販するにあたり、自由度を高めるとともに商品としてのクオリティ向上のため「ASTERIA Warp」を用いて外部出力機能を実装しました。「さくらのクラウド」を導入した経緯や魅力について、代表取締役 原田岳氏と企画開発部 係長 佐尾和彦氏に伺います。
長崎県大村市を拠点とするスタンダードフォース株式会社(以下スタンダードフォース)は建築業界の現場で使われる建築資材の販売管理システム「Stance」の開発、販売を行う企業です。原田氏は元海上自衛隊員で、防衛省に勤務していた頃には海外留学を経験。「留学先の大学院に入るための必要スコアがすごく高かったため、勉強方法を後輩に残す目的で、整理したホームページを作っておこうと決めました。その時にさくらインターネットに出会い『さくらのレンタルサーバ』を使い始めました」
スタンダードフォースはもともと、木材建材流通事業などを手がける親会社の株式会社LTUの一部門でした。「木材建材流通業というちょっとニッチな業界で、使いやすい販売管理システムや営業支援システムを探していましたが、なかなか良いものが見つからず、自分たちで作るしかないと始めたのが10年前です」と原田氏。Stanceの開発時に「さくらのクラウド」を選んだのは、販売の際に顧客へサーバーのデータをコピーして提供できる機能やスペックの拡張性・柔軟性があり、使いやすい管理画面を実現するためのコストパフォーマンスが他社よりも良かったことが理由だといいます。
「開発は数年で完了して、社内で使っていました。周りの取引先がそれを見て『そのシステム良いね』『ちょっと売ってくれないか』という話になり、販売を考えるようになりました。しかし1世代目のシステムは、私の中で50点くらいの出来栄えだったので、販売するならもう少しレベルの高いものを作りたく、開発したのがStanceです」と原田氏。
Stanceでは営業支援から見積もり、受発注、配送、納品のほか、売上や仕入れ、与信までワンストップで管理することが可能。さらにチャットワークやLINE WORKSなどのチャットシステムに対してプッシュ通知を行う機能を付けています。また配送に関わる部分ではNAVITIMEと連携して、適切な配送ルートがわかるようになっており、これらの外部連携機能を実現しているのがASTERIA Warpです。ASTERIA Warpは、簡単な画面操作でデータの連携を行うことができます。「ASTERIA Warpに関しては、さくらのクラウドアカウントから簡単に申し込みができたことも良かったです。ドメインやサーバーが複数あると、請求も管理も複雑になりがちですが、アカウント1つですべて完結できることも大きなメリットでした」と佐尾氏。
これらの機能によって、売上の計上漏れや、売上を他社に奪われることを防いでいるそうです。原田氏は「働く人の心に刺さるシステムとしてStanceはご好評を頂いている」といいます。売上も以前から120%アップし、現在は納品を来年の夏ぐらいまでお待ちいただいている状況とのこと。
原田氏には「さくらのクラウド」を導入する前にテスト環境を構築したいという思いがありましたが、専用サーバーやVPSでは利用していない期間に対しても費用が発生してしまうため、二の足を踏んでいたそうです。しかし「さくらのクラウド」でテスト環境を構築することで、使いたい時にリソースを起動し、使わない時は停止するという費用を抑える使い方ができるようになったといいます。
また「さくらのクラウド」では、サーバー内に置いてあるプログラムごとサーバーをコピーするクローン機能が業務効率化に繋がっていてとても便利だといいます。「販売する際にはサーバーの中身をコピーして、複製する作業が必要になりますが、この操作が非常に簡単にできるのです。この機能によって、1件あたり2〜3日かかっていた顧客用サーバーの初期設定の工数が削減できました。ご要望が数百件になることもあるので、トータルで考えるとかなりの業務効率化に繋がりました」と原田氏は語ります。
顧客用サーバーも「さくらのクラウド」で構築していることから、請求業務を管理画面でまとめられるため、経理業務も効率化できたとのこと。
原田氏は「さくらのクラウド」の信頼性について「取引先の中には、社外にサーバーを置くことに不安を抱く方がいらっしゃいます。そんなとき、サーバーは北海道の石狩のデータセンターに設置されており、セキュリティが堅牢で、ユーザーの入館手続きも厳重に管理されていると伝えると、安心されることがあります。そのような説明で、顧客側もセキュリティ性が高いことを理解し、信頼を寄せています」と語ります。建築業界というITにそれほど精通している人が多くない業界でも、理解を得やすいサービスだといいます。
「また『なんで石狩にあるサーバーを使ってるの?』という質問を受ける場合があります。データセンターは冷房にコストがかかりますが、北海道では冷房費を抑えられることでお得な金額でサーバーが使えることを伝えています。また、今まで一度もサーバーがダウンして困った経験をしていないことも信頼が置ける点です。2018年9月6日の北海道胆振東部地震では、数日間続いた停電も電力供給再開まで非常用電源設備で乗り切ったと聞いていました。このときはさすがにサーバーが停止してしまうのではないかと思いましたが、データセンター運用を維持し続けたことがすごいと感じました」と原田氏はいいます。これまでのさくらインターネットの姿勢から、信頼を寄せていると思いを語りました。